万覚帳

「龍鷹戦記」の用語説明ページ、万覚帳(よろずおぼえちょう)です
このページは五十音順ですが、下に各項目ページへのリンクも用意しています
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また、本編オリジナル用語は別ページに用意しています


基本単位部隊戦法武装城郭兵器


用語 分類 説明
合標
(あいじるし)
武装 戦場において、敵味方を識別するマーク。陣笠に付ける傘印、袖に付ける袖印など。 → 馬印指物
朝駆け
(あさがけ)
戦法 奇襲攻撃の一。夜闇に隠れて移動し、夜明けと共に敵陣の攻撃を仕掛ける戦法。
足軽
(あしがる)
部隊 @ 戦国時代前期は身分の低い兵士を示し、放火や陵辱などを行った。
A 戦国時代後期は集団化され、訓練を積んで軍勢の主力となった歩兵。→ 鉄砲足軽長柄足軽弓足軽
安宅船
(あたけぶね)
兵器 軍船の一。軍船の中では最大最強を誇るが、機動性に乏しい。船団の旗艦となることが多いが、外洋性は皆無。

(あぶみ)
武装 馬具の一。鞍の一部であり、騎乗者の足がかり。

(いくさ)
戦法 合戦、戦闘、戦場に集まり、彼我の軍勢がぶつかり合うこと。
石落とし
(いしおとし)
城郭 櫓の隅から石を落とすために作られた施設。弓や鉄砲での攻撃にも使用。
石垣
(いしがき)
城郭 石を積み上げた防御物。
石突
(いしづき)
武装 槍や刀の鞘、馬印などの先端を多う金属製の部品。バランスを保つための重りとしての役割がある
石火矢
(いしびや)
兵器 一貫目以上の砲弾を撃つ大砲。一貫目の弾を撃ち出す石火矢の口径は約86mm(弾径は約85mm)と、二次大戦の戦車砲に相当する。
一の谷
(いちのたに)
武装 当世冑の一。巨大な前立を特徴とする。
一揆
(いっき)
基本 人々がひとつの旗(揆)の下に参集すること。国人が大名に対して起こす国一揆、土民が領主に対して起こす土一揆などがある。権力者に対して結束して立ち向かおうとした。→ 国人
井戸曲輪
(いどぐるわ)
城郭 曲輪の一。井戸を確保するためのもの。籠城戦に突入すると水は貴重になり、水の手の攻防は城の命運を左右した。→ 曲輪

(いみな)
基本 実名のこと。姓名で言う名のこと。
初陣
(ういじん)
基本 武将が元服後、初めて戦場に出ること。具足初とも。
打刀
(うちがたな)
武装 刀の一。騎馬戦に特化した太刀とは違い、地上戦に特化した。反りが少なく、太刀とは逆に差すことが特徴。戦国時代以降、刀の主流となり、剣術は打刀の戦法である。→ 太刀
内堀
(うちぼり)
城郭 堀の一。本丸などを囲む堀で最終防衛ラインを形作る。→ 外堀

(うね)
単位 面積の単位。一畝は約99.17m2(約100m2)=三〇坪(歩)。
乳母
(うば・めのと)
基本 大名の妻に代わり、授乳をするなど子を育てる女性。
馬印・馬標
(うまじるし)
武装 部将の傍に立て、その存在を示す旗や幟、軍扇。総大将はそれで部将の位置を知り、部将は総大将の位置を知る。
馬揃
(うまぞろえ)
基本 軍勢が隊列を組んで行進する行事。訓練や閲兵式であり、諸外国に軍事力を示す意味合いもあった。
馬出
(うまだし)
城郭 曲輪の一。出撃拠点として重視された。土塁で築かれる角張った角馬出、石垣や土塁で築かれる弧状の丸馬出がある。丸馬出を囲む堀は形状から三日月堀と称される。→ 曲輪
馬廻
(うままわり)
部隊 平時には主君の警護を務め、戦時には本陣を固めた騎馬武者。本陣の最後の壁として立ちはだかる一方で、勝ち戦の時は乗り崩しを掛ける。彼らの集団のことを馬廻衆と呼ぶ。
馬鎧
(うまよろい)
武装 馬具の一。馬のための甲冑。実戦用よりは装飾用に用いられた。
烏帽子親
(えぼしおや)
基本 元服の儀式において、儀式の中心的な役割を担うもの。儀式は烏帽子をかぶせることがメインであり、元服者と繋がりの深い者が選ばれた。→ 元服
烏帽子形
(えぼしなり)
武装 当世冑の一。烏帽子を象った兜。
偃月
(えんげつ)
戦法 八陣の一。3つの備が湾曲した半月形に布陣し、その後方に本陣を配置する。
両軍同士が小勢であり、敵軍が鋒矢や魚鱗にて突撃してきた場合、その勢いを受け止め、包囲していく陣形。→ 陣形
煙硝
(えんしょう)
武装 弾薬とも。弾丸を発射するための火薬。灰、硝石、硫黄を主原料する。また、弾丸を発射する装薬と火縄の火を装薬に発火させる伝火薬がある。
追い討ち
(おいうち)
基本 追撃のこと。
大筒
(おおづつ)
兵器 百匁以上で一貫目未満の鉄製。置き筒が多いが、抱え筒もある。
大鉄砲
(おおでっぽう)
武装 厳密には十匁以上百匁以上の弾丸を発射する火砲のことだが、十三匁筒を鉄砲と呼ぶことも多い。確実なものは二十匁以上を発射するもの。抱えて撃つ、抱え筒が多く、それだけ反動が大きい。並みの土塀ならば撃ち崩す威力を持ち、人に当たれば甲冑の上からも人体を微塵にする威力を持つ。
大手門
(おおてもん)
城郭 虎口の一。城の表口である大手に作られた城門。城の表門に当たる。→ 虎口
大身槍
(おおみやり)
武装 穂の長さが一尺以上の槍。
大八洲
(おおやしま)
基本 日本列島のこと。日本のこととも。

(おどし)
武装 威とも書く。札を緒(太い糸)で結ぶこと。形状や色で名前が付き、その名前が鎧の名前にも用いられた。→
帯曲輪
(おびぐるわ)
城郭 帯のように細長い形状をした曲輪。主要な曲輪を守るために作られた。→ 曲輪
廻船
(かいせん)
基本 物資輸送用の民間船舶。各港を行き来して各地の産物を運んだ。
海賊衆
(かいぞくしゅう)
部隊 海上交通を支配した武士団。水軍とも。廻船の安全を取りはからったり、戦に参加したりした。
花押
(かおう)
基本 押印とも言い、文書の末尾に記入し、正式文書であることを証明したサイン。
鶴翼
(かくよく)
戦法 八陣の一。鶴が翼を広げたように突進してくる敵を中央で迎撃する間、両翼が包み込む陣形。扇の形に似る。
自軍が敵軍に対して数的有利を確保している時に選ばれる。→ 陣形
刀鍛冶
(かたなかじ)
基本 刀剣を製作する職人。軍事に直結することから各大名から保護された。
徒歩武者
(かちむしゃ)
部隊 馬に乗らずに戦う士分の兵士。
家紋
(かもん)
基本 家の標識として用いられる図様。

(かぶと)
武装 冑とも。頭部を覆う防具。
兜首
(かぶとくび)
基本 部将の首。名のある武将の首であり、これを討ち取れば手柄となった。
鏑矢
(かぶらや)
基本 大きな風切り音が鳴る矢。合戦開始時や合図などに使用される。
搦め手門
(からめてもん)
城郭 虎口の一。大手門に対することまであり、裏門のこと。→ 虎口
刈田
(かりた)
戦法 刈田狼藉と同じ。敵地の水田の稲を刈り取ること。青田を刈って生産力を低下させたり、収穫直前のものを刈り取り、自信の兵糧にするなどがある。
守備側は自分だけでなく、領民の生活を守るために阻止しなければならず、攻め手は守り手を城外に誘き寄せるための戦法として用いた。
ガレオン船
(がれおんせん)
兵器 欧州諸国の外洋船。竜骨を持つ帆船であり、規模・機動力ともに倭船では相手にならなかった。→ 竜骨
家老
(かろう)
基本 重臣を意味し、大名を補佐して領内経営や外交を担当する者。戦時では一族郎党の他、その他の家臣を率いる指揮官となる。

(かん)
単位 重さの単位。一貫は3.75kg=百両(=6.25斤=千匁)
雁行
(がんこう)
戦法 八陣の一。主力が斜めに布陣し、敵の動向によって魚鱗や鶴翼に変化できる陣形。ヨーロッパの斜行陣に通じる。
中央で敵主力を受け止め、側面の備を一斉に叩きつけて撃ち崩すことが可能。→ 陣形
感状
(かんじょう)
基本 主君が家臣に与える武功の証明書。
菊池槍
(きくちやり)
武装 片刃の小刀を長柄にはめた槍。
亀甲船
(きっこうせん)
兵器 朝鮮の軍船。日本水軍の切り込み戦術に対抗するために船を亀の甲羅のように覆った。
騎馬武者
(きばむしゃ)
部隊 騎乗した兵士。士分の者たちの中でも騎乗を許された武士。指揮官だけでなく、馬廻衆や母衣武者、使番衆などの役目を負った者が多い。また、集団を組んで突撃することもある。
宮中
(きゅうちゅう)
基本 禁裏のこと。天皇の住む空間。
魚鱗
(ぎょりん)
戦法 八陣の一。先鋒などの備で鏃の形に布陣し、一気呵成に突撃する攻撃的な陣形。名前は形に由来する。
敵に対して小勢であり、一点突破を図る場合に用いられることが多い。→ 陣形
切支丹
(きりしたん)
基本 キリスト教徒のこと。吉利支丹とも。

(きん)
単位 重さの単位。一斤は600g=十六両(=百六十匁)
金瘡
(きんそう)
基本 刀槍や弓鉄砲による傷。この傷を専門とする医者を金瘡医という。
公家
(くげ)
基本 朝廷に仕える人々の総称。朝廷の政務に関係する上級公家は公卿という。
草摺
(くさずり)
武装 大腿部を保護する防具。
具足
(ぐそく)
武装 鎧を意味する言葉。戦国時代は大鎧から当世具足への移行がなされた。

(くつわ)
武装 馬具の一。馬に咥えさせ、それに手綱を結びつけることで馬を操作する。→ 手綱
首桶
(くびおけ)
基本 討ち取った武将の首を入れて持ち帰るための桶。
組頭
(くみがしら)
部隊 数十名単位の部隊を率いた指揮官。軍勢の最小単位であり、物頭の指揮下に入った。
蔵入れ地
(くらいれち)
基本 大名の直轄地。
繰り引き
(くりびき)
戦法 軍勢を順次退き上げること。また、撤退戦において、二つの部隊が交互に援護しながら引き上げる戦術。
車撃ち
(くるまうち)
戦法 鉄砲戦術の一。数段に鉄砲隊を分け、射撃を終えた段はそのまま装填作業に移り、後方の段が前に出てきて発砲する。鉄砲隊がまるで回転するように前進することから名前が付けられた。
車懸かり
(くるまがかり)
戦法 一点突破の捨て身の攻撃。自軍の備を敵の備に叩きつけ、本陣自ら敵本陣に突撃する戦法。攻撃一辺倒の総攻撃である。
敵の備を引き剥がすためには敵正面からぶつからず、敵布陣の横方向から攻撃を加える必要がある。この様が車輪のようだったことが名前の由来である。
車井楼
(くるませいろう)
兵器 井楼とは櫓と同じ意味であり、この兵器は櫓の下に車輪がついており、進退したもの。物見櫓の任を果たしたほか、城郭との高低差をなくして射撃戦の不利を補うものである。装甲として鉄板を張り巡らせたものを「鎧井楼」と言う。
曲輪
(くるわ)
城郭 郭とも書く。城内を区画する区画。→ 本丸二ノ丸三ノ丸
軍師
(ぐんし)
基本 大将の傍に仕え、政略や戦略の立案や指導を行った人物。
軍法
(ぐんぽう)
基本 合戦の折に兵士に対して下した規則。乱暴狼藉の禁止など陣中での禁止事項を規定した。
下知
(げち)
基本 命令。指図すること。
血判状
(けっぱんじょう)
基本 契約者の血による爪印である血判が押された書状。契約の効力を高めるという目的があった。

(けん)
単位 長さの単位。一間は1.8182m(約1.8m)=六尺。
検地
(けんち)
基本 測量して農地の面積と生産高を算出すること。
元服
(げんぷく)
基本 男子が成人したことを祝う儀式。烏帽子をかぶることになり、名前も幼名から諱に変わる。→ 幼名

(ごう)
単位 @ 面積の単位。一合は0.33058m2(約0.3m2)=十勺。
A 体積の単位。一合は0.018039g(約0.18g)=十勺。
攻城戦
(こうじょうせん)
戦法 敵の城を攻める戦。
紅毛
(こうもう)
基本 欧州諸国の中でもイギリスやオランダのことを指す。また、その文化のこと。→ 南蛮
高麗門
(こうらいもん)
城郭 虎口の一。従来の門より屋根を小さくし、守備側の死角を減らした門。枡形の一の門として用いられる。→ 虎口枡形
衝軛
(こうやく)
戦法 八陣の一。第一陣が鶴翼、第二陣がそれを援護するように布陣し、本陣の周りにも雁行のような斜めに布陣する備を配置する。
多方面からの攻撃に対応でき、自由を束縛する意味を持つ名前通り、敵軍を受け止めてその動きを束縛する効果を持つ。→ 陣形

(こく)
単位 体積の単位。180.39g(約180g)=十斗。米の生産高を表す単位として有名。

(こく)
単位 時間を表す単位。一刻は約2時間である。
国人
(こくじん)
基本 元々その土地に根付き、土地との繋がりが深い領主。先祖伝来への土地に執着が強く、意思を蔑ろにすれば一揆を引き起こされる原因となる。→ 一揆
石高
(こくだか)
基本 土地の生産力を石という単位で表したもの。大名たちの勢力の指標となり、多ければ多いほど強大な勢力だった。
虎口
(こぐち)
城郭 城の出入り口に当たる区画。城外への出入り口の他、別の曲輪へと繋がる出入り口も虎口と称した。
小姓
(こしょう)
基本 主君の近辺に仕える家臣。日常生活において、主君の雑用をこなすことが主な仕事であったが、戦時には命を懸けて主君を守った。

(こしらえ)
武装 刀の鞘、鍔などの外装に対する総称。
小袖
(こそで)
基本 袖が小さくなった衣服。庶民の日常着として発展し、武家の娘も上着として使用した。
後詰め
(ごづめ)
部隊 @ 援軍のことを指し、後ろ巻とも言う。
A 備の一。後備のこと。後陣などと称し、軍勢の最後尾に位置する部隊。
籠手
(こて)
武装 肘から下を防御するもの。
御殿
(ごてん)
城郭 城主が生活する建物。一般的に城主は天守閣には住まず、本丸御殿と呼ばれる平屋の建物で寝起きした。
小荷駄
(こにだ)
部隊 物資を運搬する輸送部隊。戦闘には必要な物資を輸送し、その安否は戦況を左右した。
小早
(こはや)
兵器 軍船の一。八〜三〇挺の艪で動く小型船。偵察や連絡の他、海戦の数的主力として活躍した。
采配
(さいはい)
戦法 戦の折、大将が軍勢の指揮や合図の時に用いた道具。また、指揮することを言う。
作事
(さくじ)
城郭 築城にあたって、天守や櫓、土塀、城門などの大工工事のこと。→ 普請
笹穂槍
(ささほやり)
武装 笹の葉のような形状をしている槍。最も多い槍である。
指物
(さしもの)
武装 旗指物とも。鎧の背に付けた旗。馬印と同じように自身の存在を示すものだが、所属部隊を明らかにするために統一化されることもあり、個人の自由にいかないこともあった。
指矢懸かり
(さしやがかり)
戦法 弓戦術の一。弓矢は速射性に優れるという特性を利用し、敵鉄砲隊に矢継ぎ早に矢を射掛け、敵の動きを封じ込む。一種の弾幕戦術。

(さね)
武装 甲冑に使用される細長く穴の開いた板。
侍大将
(さむらいたいしょう)
部隊 数百名から千単位の兵を指揮した指揮官。指揮下に物頭を置き、戦場では戦況を見て軍勢を進退した。
三段撃ち
(さんだんうち)
戦法 鉄砲戦術の一。鉄砲隊を三段に分け、一段ずつ撃ち放ち、射撃の間断をなくす戦術。
三ノ丸
(さんのまる)
城郭 曲輪の一。三の曲輪などと称し、本丸防衛のための曲輪ではあった。また、本丸に近いことから武家屋敷が建ち並ぶこともあった。
忍び
(しのび)
部隊 忍び衆のこと。また、個人を示す。いわゆる忍者。透破とも。
特殊な技術を用い、諜報活動に従事する。不正規戦を得意とするが、軍勢がぶつかり合う戦場ではその戦力は発揮できなことが多い。
大名などの武士とのやりとりをする者を「上忍」といい、その上忍から指示を受けた「中忍」を組頭とする実践部隊が動き、実際に任務に当たる要員を「下忍」といった。また、敵国の領民として生活し、逐一報告をする者を「草」と言う。
士分
(しぶん)
部隊 武士の身分にある者。つまりは武士。

(しゃく)
単位 長さの単位。一尺は0.303m(約30cm)=十寸。

(しゃく)
単位 @ 面積の単位。一勺は0.033058m2(約0.03m2)
A 体積の単位。一勺は0.018039g(約0.018g)
尺貫法
(しゃっかんほう)
単位 長さや面積の単位系のひとつ。
十文字槍
(じゅうもんじやり)
武装 槍の一。主に武将が用いる槍で穂先が十の字の形状をしている。鎌十文字槍や千鳥十文字槍などに細分化される。

(しょり)
単位 体積の単位。一升は1.8039g(約1.8g)=十合。

(じょう)
単位 長さの単位。一丈は3.03m(約3m)=十尺。
床机
(しょうぎ)
基本 戸外で用いる移動用の腰掛。軍陣の際に主将などが座った。持ち運びを重視し、布などで張った折りたたみ式である。
城下町
(じょうかまち)
基本 城郭を中心に発展した町。城自体が戦場になると焼き払われることが多かった。
将軍
(しょうぐん)
基本 正式には「征夷大将軍」。幕府を開く権利を有するが、本来の意味は東方の敵を征討する軍隊の総大将。
障子堀
(しょうじぼり)
城郭 堀の一。内部に障害として低い土塁が築かれ、畝堀とも言う。その障害は敵兵の移動を妨げるだけでなく、雨水を溜めて容易に抜け出せなくする効果があった。
城将
(じょうしょう)
部隊 城督とも。大名から城の守備を任された部将。その城が確保している領土を統治する権利はなく、あくまで城の確保のために置かれた。
硝石
(しょうせき)
武装 弾薬の原料の一。硝酸カリウム。国産できず、輸入に頼ったのが玉薬の高値に直結した。→ 煙硝
城代
(じょうだい)
部隊 城主に代わって城を守る部将。城主が兵を率いて出陣した場合に留守を守る将を言う時もある。
庶子
(しょし)
基本 正室の子ではなく、側室が生んだ子のこと。家督相続では正室の子である嫡子に対して不利であり、蔑まれることさえあった。→ 嫡子

(しろ)
城郭 軍事上の防衛施設として建設されたもの。山や川などの天嶮を利用した要塞として築かれる一方、政治の中心である政庁としての一面も持つ。地域の戦略・政略ともに重要な拠点。
城割
(しろわり)
城郭 占領した土地の城砦を破壊して破棄すること。敵の反抗拠点を潰す目的があった。

(じん)
部隊 兵が隊伍を整えること。また、その隊列。
殿
(しんがり)
部隊 撤退戦において、味方部隊を守るために敵前に立ちはだかる部隊。すでに敗勢色濃いので部隊が壊滅するどころか、部将が討ち死にする可能性も高かった。殿軍(でんぐん)とも。
陣形
(じんけい)
戦法 野戦に当たり、彼我の兵力、戦場の地形などに合わせ、軍勢の布陣のさせ方が違う。その軍勢の配置を陣形という。
陣形は『吾子』や『孫子』などの軍学書には8つ紹介されており、これを「八陣」という。
陣城
(じんじろ)
城郭 合戦や城攻めの折に短期間で建てられた防御陣地。
陣代
(じんだい)
部隊 主君の代わりに大将を務める部将のこと。主君が幼年であったり、病弱などで軍務に耐えられない場合などに置かれた。
陣立て
(じんだて)
部隊 戦場での各部隊の配置のこと。本陣の位置や配下の部将たちの布陣を決めた。
陣羽織
(じんばおり)
武装 袖無しの羽織。具足の上から羽織った。
陣払い
(じんばらい)
基本 撤退すること。退き陣ともいう。
筋兜
(すじかぶと)
武装 鉄板の繋ぎ目が筋状になった兜。
捨てがまり
(すてがまり)
戦法 撤退に当たり、鉄砲隊を置き捨て、その鉄砲隊は全滅するまで射撃を続ける。この時、足軽ではなく、兜首を狙撃して敵に損害を強いた。
頭形
(ずなり)
武装 鉢の鉄板の数が減り、筋兜よりも簡略化された兜。
脛当て
(すねあて)
武装 膝下を保護するための防具。
隅櫓
(すみやぐら)
城郭 曲輪の隅に築かれた櫓。石垣の城に多い。→

(すん)
単位 長さの単位。一寸は3.03cm(約3cm)
誓詞
(せいし)
基本 和睦や同盟の時に交わされる文書で、左側に神文と称される誓約文が書かれ、右側に血判を押す。そして、これを燃やして灰にし、誓う者同士で呑むという儀礼がある。
正室
(せいしつ)
基本 本妻。正室の子を嫡子と呼び、正統な後継者を生む妻。
関所
(せきしょ)
基本 街道において交通を遮断したり、管理するための施設。
関船
(せきぶね)
兵器 軍船の一。小早より大型で安宅船よりも小型の中型船。海戦の主力として活躍。
前哨戦
(ぜんしょうせん)
戦法 決戦前の戦い。小競り合いや作戦前段階、決戦への布石など、勝敗ではなく、その戦自体が後々に大きな意味となる。
先鋒
(せんぽう)
部隊 軍勢において先頭を任された部隊。一番備、先備、先陣、先手衆などと様々な呼び名がある。一番槍を預かる部隊であり、名誉のあることだった。一方、最も被害が出ることから新参者の忠誠を試すための部署でもあった。→
総掛かり
(そうがかり)
戦法 総攻撃のこと。総攻めとも。
惣構え
(そうがまえ)
城郭 城だけでなく、城下町をも囲い込んだ防御施設。城塞都市に通じる。惣曲輪とも。
総大将
(そうたいしょう)
部隊 その軍勢の総司令官のこと。
側室
(そくしつ)
基本 妾とも。正室ではない妻のこと。側女とも。
外堀
(そとぼり)
城郭 堀の一。城の内外を区切る堀。→ 内堀

(そなえ)
部隊 戦時に編制された部隊であり、鉄砲や弓、長柄などの足軽隊や騎馬隊など、戦に必要な組を備えた部隊。その備単独で戦える一連の戦闘を戦い抜くことができた。侍大将以上の部将が率いた。円居とも言う。
代官
(だいかん)
基本 支配下にある年や港湾、鉱山に派遣され、その収益の吸収に当たらせた人物。
大名
(だいみょう)
基本 一万石以上の所領を領する者。
竹束
(たけたば)
戦法 戦場で用いられた盾。数本の竹を筒状に組み合わせて作られた。竹本来の防御力と形状から受け止めるか弾き飛ばすかで弾丸を防いだ。約半町までならば弾丸を受け止めたという。
太刀
(たち)
武装 腰に吊す、反りの大きい刀。騎乗で使いやすいように発展した。打刀と違い、刃を下にして吊すため、一度引き抜いてから使った。→ 打刀
手綱
(たづな)
武装 馬具の一。馬を方向転換などの制御するための緒。緒は太い糸や布などが使用された。→
多聞櫓
(たもんやぐら)
城郭 塀のように細長い櫓。石垣の上を塀ではなく、櫓によって防御を固めるために作られた。→

(たん)
単位 面積の単位。段とも。一反は991.7m2(約1000m2)=十畝。
力攻め
(ちからぜめ)
戦法 我攻めとも。兵の損耗を無視して正面から攻めること。犠牲が出る分、勝敗を早く決することができる。
嫡子
(ちゃくし)
基本 嫡流の子。正室の子ども。→ 庶子
着到帳
(ちゃくとうちょう)
基本 軍勢が集結した折、総大将に各備の部将が兵数や兵種の内訳を記して提出したもの。

(ちょう)
単位 @ 長さの単位。一町は109.09m(約110m)=六〇間。
A 面積の単位。一町は9917m2(約10000m2)=十反(段)
長蛇
(ちょうだ)
戦法 八陣の一。全軍が蛇のように蛇行して布陣する。周囲全ての攻撃に対応できる。
攻撃されれば、全ての備が対応に動き出すことが武器なので、各備の連携が必須。→ 陣形
使番
(つかいばん)
部隊 合戦において主君の命令を伝達した騎馬武者。伝令とも。

(つぼ)
単位 面積の単位。一坪は3.3058m2(約3m2)=十合。
釣り野伏せ
(つりのぶせ)
戦法 釣り野伏せりとも。伏兵戦術であり、前進した軍勢が敗勢を装って伏兵のいる地まで敵を誘引する。
単純だが、勝ちに乗じて追撃することは当たり前であるので敵軍がやってくる可能性は高かった。問題は敗勢をまとめ上げる部将の統率力であり、失敗すればそのまま全軍潰走の危険性があった。
手明
(てあき)
部隊 盾や掛け矢などの兵器を使用する。また、柵などを作り、陣城を作り上げる。現在で言う工兵も兼ねていた。
鉄砲
(てっぽう)
武装 火縄銃とも。十匁未満の弾丸を使う者。標準的な弾丸は六匁弾。
伝来以後、主力となり、鉄砲足軽の数が急増した。
鉄砲足軽
(てっぽうあしがる)
部隊 足軽の一。鉄砲を装備した足軽。軍勢の主戦力であり、組頭や物頭の指示に従い、一斉射撃などの集団戦術を駆使して戦った。→ 足軽
鉄砲鍛冶
(てっぽうかじ)
基本 鉄砲を生産する鍛冶場のこと。鍛冶場を作り、鉄砲の数を増やすことこそ乱世を乗り切ることに繋がり、諸大名はその鍛冶師の確保に躍起となった。
天守閣
(てんしゅかく)
城郭 天守とも。本丸に建つ二層以上の櫓を指し、城の象徴的な建物。籠城戦の折には総大将が陣取り、最大の物見櫓として使用して籠城戦の指揮を執る。故に陥落すれば城の陥落を意味する最終防衛ライン。→ 本丸

(と)
単位 体積の単位。一斗は18.039g(約18g)=十升。
唐冠形
(とうかむりなり)
武装 当世冑の一。中国風の帽子を象った冑。
当世冑
(とうせいかぶと)
武装 戦国時代に流行した冑。目立つ形状のものが多い。
当世具足
(とうせいぐそく)
武装 戦国時代に発展した具足。実戦向きに軽量化され、各部がシンプルになって量産化に優れる。また、新兵器である鉄砲に対する備えもなされた。
投石機
(とうせきき)
兵器 石を投擲して城などの建造物を破壊する兵器。弾力を利用したもの、錘の位置エネルギーを利用したものと種類がある。持ち運びに不便だが、比較的簡単に作れるので戦場近くで作られた。
胴丸
(どうまる)
武装 背中の部分から簡単に着脱できる鎧。兵士を中心に導入された。
通り字
(とおりじ)
基本 一族が名前に共通で使う漢字。
例:足利家→「義」、織田家→「信」、伊達家→「宗」
渡河
(とか)
基本 川を渡ること。水の中では身動きが鈍ることから渡河地点は充分に調べられ、また、渡河中を襲われることよいよう警戒した。
友崩れ
(ともくずれ)
戦法 軍勢が連鎖的に退却すること。戦場において致命的であり、大将は何としてもこれを阻止しなければならなかった。
崩壊の原因から原因から流言による「聞き崩れ」、味方が崩れるのを見て崩れ出す「見崩れ」などがある。また、戦っていないはずの後方から崩れることを「裏崩れ」という。

(とりで)
城郭 城よりも簡易な防御施設を指すことが多い。城が政庁としての役割を持っているのに対し、砦は軍事的な役割が強い。
度量衝
(どりょうしょう)
単位 面積や質量などの単位系のひとつ。
土塁
(どるい)
城郭 土を盛り上げることによって築かれる防御施設。基本的に堀を掘った土をその内側に盛って作った。雨が降るとぬかるみ、登る障害となった。
内応
(ないおう)
基本 調略の一種で敵方の武将を裏切らせること。また、裏切ること。裏切る期日を指定することで、敵方に大打撃を与えることができた。返り忠とも。
長柄
(ながえ)
武装 @ 棒や柄の部分が長い武器のこと。
A 長柄槍のこと。長柄足軽が装備し、戦国時代の主戦力となった。
長柄足軽
(ながえあしがる)
部隊 足軽の一。鉄砲隊と並ぶ軍勢の主戦力。鉄砲が普及する以前は軍勢の半数近くを占めた。
訓練が必要な弓に代わり、敵騎馬隊の備えと発展する。突いたり叩いたりする集団戦術を駆使する。変えのきく戦力ではあったが、集団行動の訓練を積む必要があった。→ 足軽
長柄倒し
(ながえだおし)
戦法 長柄は懐に潜り込まれるとうまく扱えない、という短所を攻めるもの。徒歩武者を中心とした白兵戦部隊が長柄隊に乱入し、斬り倒す。
縄張り
(なわばり)
城郭 城の基本設計。
南蛮
(なんばん)
基本 欧州諸国の中でもスペインやポルトガルを指す。またその文化のこと。→ 紅毛
二ノ丸
(にのまる)
城郭 本丸に続く重要な曲輪であり、平時も大事な建物が並ぶ曲輪。→ 曲輪

(の)
武装 矢の棒の部分。主に竹を用い、城には竹が植えられた。籠城戦の折、女子どもはこの竹を切り、矢を作った。
退き太鼓
(のきだいこ)
戦法 退却の時に叩かれる太鼓の音。間延びした音色で叩かれる。→ 寄せ太鼓
乗り切り
(のりきり)
戦法 騎馬戦術の一。敵が浮き足立った時、少数で打ち込んで敵隊列の混乱を拡大させる。
乗り崩し
(のりくずし)
戦法 騎馬戦術の一。勝機と見た時、騎馬隊を突撃させ、その隙間を歩兵隊が拡大して一気に押し崩す。
乗り込み
(のりこみ)
戦法 騎馬戦術の一。布陣して間もない敵軍に騎馬隊のみで突撃を懸ける。敵の備に混乱を強い、勝機あれば全軍突撃する。
烽火
(のろし)
戦法 狼煙とも。火をおこし、その煙で遠方の味方に急を知らせるもの。燃やすものの材料次第で煙に色を付けるなどして情報を付加した。
白兵戦
(はくへいせん)
戦法 刀槍を振りかざす軍勢の接近戦。両軍入り乱れた乱戦となり、軍勢をまとめられるかどうかは部将の統率力にかかっている。
狭間
(はざま)
城郭 鉄砲や矢で攻撃するために塀や櫓に空けられた穴のこと。縦に細長いものを「矢狭間」、丸や三角、四角のものを「鉄砲狭間」と呼ぶ。
破城鎚
(はじょうづち)
兵器 城門突破に用いる巨大な鎚。普通は丸太を叩きつけるなどして突破するが、これは人力ではなく、綱に丸太を吊し、それを引いて勢いよく叩きつけて使用する。先端に金具を用いて破壊力を高めたものもある。
旗本
(はたもと)
部隊 大将直属部隊。馬廻とほぼ同義だが、独自の備を持っていることもある。

(はち)
武装 冑における鉄製の半球部分。十枚以上の台形の鉄板が組み合わされ、鉢状に加工された。
拮橋
(はねばし)
城郭 引き上げることのできる橋。籠城側では撤去可能な橋として、攻城側では橋をかけるために利用された。
馬防柵
(ばぼうさく)
戦法 騎馬突撃を防ぐための柵。二、三重に渡って立てられ、騎馬隊の機動力を殺した。縦木と横木を組み合わせ、隙間から鉄砲を撃てるようにしたものが鉄砲戦術が取り入れられた後に考案された。
早馬
(はやうま)
基本 平時における情報伝達の方法。街道整備と共に発達したもので、各場所に馬を用意しておき、命令文を持った武士が馬を乗り換えて目的地まで駆け続けるというもの。
早合
(はやごう)
武装 鉄砲の装填時間を短くした技術。弾丸と一発分の火薬をセットにした筒。鉄砲足軽はその筒を体に巻き付けて戦った。
腹巻
(はらまき)
武装 右脇の部分から着脱する鎧。
番匠
(ばんしょう)
基本 大工のこと。
半途撃つ
(はんとうつ)
戦法 川を利用した防衛戦法。敵軍が川の半ばまで到達し、身動きが鈍っている時に一斉に弓鉄砲を浴びせかけて撃退する戦法。また、敵軍の半ばが川を渡り終えた時に攻撃を加え、その渡河途中の戦力が合流する前に大打撃を与える。
火皿
(ひざら)
武装 鉄砲の一部。煙硝を盛る場所。
直垂
(ひたたれ)
基本 上半身を覆う布。袖の脇に大きなスリットがあることが特徴で、武士の普段着として使用される他、礼服にもなった。また、鎧の下に着用することもあり、これを「鎧直垂」と呼ぶ。
火縄
(ひなわ)
武装 鉄砲の一部。発射に必要な火を灯す縄。燃えやすいように硝石の粉末が編み込まれた。
火挟
(ひばさみ)
武装 鉄砲の銃身に火縄を固定するためのもの。
火蓋
(ひぶた)
武装 火皿を覆う金属製の蓋。「火蓋を切る」という言葉は合戦が始まる時に火蓋を開けることに由来する。
評定
(ひょうじょう)
基本 会議のこと。特に軍議のことを「戦評定」と言った。
兵糧攻め
(ひょうろうぜめ)
戦法 攻城戦術の一。敵城の周囲を囲み、敵の兵糧が尽きるまでの長期戦とする。力攻めに対して被害は少ないが、時がかかることと自軍の兵糧が相手を上回る必要があった。
平城
(ひらじろ)
城郭 湖や川に囲まれた平地に築かれた城。交通の便がよく、城下町を整備しやすかった。しかし、合戦となれば周囲全てが敵と相対することになり、兵力分配はそのまま勝敗を決する可能性があった。
平山城
(ひらやまじろ)
城郭 丘程度の高低差を利用して築かれた城。政治に優れた平城と合戦に優れた山城の利点を受け継いでいた。

(ぶ)
単位 重さの単位。一分は0.375g
伏兵
(ふくへい)
戦法 軍勢を隠すこと。また、その軍勢のこと。伏せ撃ちとも。
部将
(ぶしょう)
部隊 軍勢=部隊を指揮する人。指揮官。
普請
(ふしん)
城郭 築城に当たり、石垣や堀などの土木作業のこと。→ 作事
布陣
(ふじん)
基本 軍勢が戦場に到着して陣を敷くこと。
分進合撃
(ぶんしんごうげき)
戦法 戦略を戦術にまで持ち込んだ戦法。それぞれ別ルートを進軍していた軍勢が所定の戦場に一気に集まり、敵軍を打倒する。しかし、その意図が悟られれば各個撃破される可能性があり、機密を守り通すことが勝敗を分かれさせた。
兵法
(へいほう)
戦法 戦略や戦術など軍略のことを指す。また、同じ字でも武術を表すものは「ひょうほう」と読む。
偏諱
(へんき)
基本 自分の名前を家臣に与えること。家臣に対して褒美であるのと同時に自身に従属することの意思表示だった。
方円
(ほうえん)
戦法 八陣の一。本陣を最も守りの厚い中央部に置き、その他の備で取り囲み、あらゆる方向へ対応できる守りの陣形。
敵勢力圏での野営や敵中に孤立して助けを待つ場合に採用される。→ 陣形
鋒矢
(ほうし)
戦法 八陣の一。先鋒以下を鏃の形にするのは魚鱗と同じだが、魚鱗にはあった両翼の展開は小さく、それだけ前方の突進力に集中する。
先鋒と共に本陣も突撃することが多く、小勢で大軍に立ち向かう際に採用された。→ 陣形
焙烙火矢
(ほうろくびや)
兵器 戦国時代の手榴弾。焙烙という素焼きの器に火薬を入れて漆で固め、火縄を付けて布で包む。これに火を点けて敵方に投げ込んだ。中には火薬の他に鉄釘などが入っており、その破片で敵を殺傷した。海戦で船上の戦闘員を掃討することに使われた他、陸上戦でも使われた。

(ほしいい)
基本 米を蒸したり、炊いてから乾燥させたりした食品。長期保存が利く食品であり、そのまま囓ったり、水に戻したりして簡単に食べられた。携帯食料として重宝され、兵は数日分のこれを用意して出陣した。ただ、それほどおいしいものではなく、あくまで非常食だった。
星兜
(ほしかぶと)
武装 星と称される金具で鉄板の繋ぎ目を接合した兜。
菩提寺
(ぼだいじ)
基本 一族が代々、葬儀や供養を営み、一族の墓がある寺院。
大名家の菩提寺は大名家の保護を受けて発展するが、大名家が没落すれば共に没落することが多かった。また、他家に攻撃される可能性があったために砦に似るなどして武装する寺院もあった。
法螺貝
(ほらがい)
基本 合戦で合図や戦意昂揚のために用いられた道具。

(ほり)
城郭 城の基本的な防御施設である窪地。水がある堀を「濠」や「水堀」、水がない堀を「壕」や「空堀」と表すこともある。
前者は湖や海、川の水を引き入れ、鉄砲伝来以降はその幅が大きくなった。後者は水を率いられる状況にない山城などに採用された。
母衣武者
(ほろむしゃ)
部隊 母衣とは矢を避けるための布製の防具だったが、戦場における伝令兵の仕事に就く者の証とされていった。
故に武勇優れた武者が多く、この母衣衆から出世した武将も多い。
本陣
(ほんじん)
部隊 軍勢の本隊。総大将が直卒する部隊であり、全軍を見渡せる位置に布陣した。戦はこの本陣を壊滅させるか、退却させるかを勝利条件としている。
本丸
(ほんまる)
城郭 城の防御における中心区画。全ての曲輪は本丸防衛のために造られる。城の攻防戦における籠城方の本陣。天守閣が屹立することもある。
前立
(まえだて)
武装 鉢の前面にある装飾。防御力よりもデザイン性が重視された。
枡形
(ますがた)
城郭 城門の防御機能のひとつ。一の門と二の門の間に作られた四角形の空間。
幔幕
(まんまく)
基本 本陣などに張り巡らされた幕。白地に黒で家紋が描かれることもあった。
水攻め
(みずぜめ)
戦法 攻城戦術の一。敵城を包囲するために土木工事によって川の流れを変えるなどして城の周囲を水没させる戦法。
武者走り
(むしゃばしり)
城郭 石垣や土塁の下に位置する細長い通路。人が通れないほど細い場合には「犬走り」と呼ぶ。
物頭
(ものがしら)
部隊 いくつかの組を統率する指揮官。侍大将の下に位置し、軍勢を指揮する中堅指揮官である。
物見
(ものみ)
部隊 敵情を探ること。いわゆる斥候や哨戒をすること。また、その任についた部隊。
物見櫓
(ものみやぐら)
城郭 周囲や敵情を監視する櫓。二層の立派なものから木を組んだだけの簡易的なものまで幅広く存在した。上部に取り付けられた半鐘で急を知らせる。→
傅役
(もりやく)
基本 守り役とも。大名の子どもなどに付けられた育ての武将。大名にとって側近中の側近であり、傅役とは運命共同体であったことが多い。

(もんめ)
単位 重さの単位。一匁は3.75g=十分。
矢合わせ
(やあわせ)
戦法 合戦の序盤に行われた弓矢の応酬。鉄砲戦も含まれた。接近戦に突入する前の遠距離戦のこと。

(やぐら)
城郭 城の防御強化のための施設。漆喰で固めた壁や瓦葺きの立派なものから木組みのものまで幅広く存在した。
櫓門
(やぐらもん)
城郭 城門の上に人が入れるような櫓になっている門。→ 虎口
野戦
(やせん)
戦法 敵軍と城外で戦うこと。
山城
(やまじろ)
城郭 山地の天嶮を利用して作られた城。
槍絡み
(やりがらみ)
戦法 長柄戦術の一。敵長柄隊の長柄槍に対し、長柄槍を絡めることで押し合うことで敵の隊列を崩す。ただ、押し合いに負けると自軍が崩される。
槍衾
(やりぶすま)
戦法 長柄戦術の一。穂先を前方に一斉に突き出す。自軍に優勢な時の突撃や劣勢を挽回する時などに使われる。また、敵騎馬隊の突撃に対しても有効。一列だけでなく、数列並んで上中下と突き出すと槍で長柄足軽が見えなくなるほどの密集隊形を作れる。ただ、高い訓練度を必要とした。
弓足軽
(ゆみあしがる)
部隊 足軽の一。弓矢を主兵装にした。弓矢は鉄砲よりも速射性があり、鉄砲の間断を埋める役割があった。
夜討ち
(ようち)
戦法 奇襲攻撃の一。夜襲のこと。
幼名
(ようみょう)
基本 生まれてから元服するまでの名前。
寄せ太鼓
(よせだいこ)
戦法 押し太鼓とも。攻撃開始を告げる太鼓の音。また、総攻撃の時に鳴る音。急ピッチに叩かれる。→ 退き太鼓
与力
(よりき)
基本 加勢のこと。もしくは本来の主ではないが、その武将の指揮下に入って戦う者のこと。
乱波
(らんぱ)
部隊 忍びのこと。東国は不正規戦を専門とした忍びがおり、この武術に秀でた者たちを「戦乱波」と称することがあった。

(り)
単位 長さの単位。一里は3.927km(約4km)=三六町。
竜骨
(りゅうこつ)
兵器 キールのこと。船体の底部中央を船首から船尾まで縦断し、底部脊柱の役目を果たす重要な部材。竜骨は「逆風帆走の時に横滑りを抑える」、「喫水を浅くする」など、外洋航海には必須の効果がある。

(りょう)
単位 重さの単位。一両は37.5g=十匁
両懸かり
(りょうがかり)
戦法 弓戦術の一。鉄砲と弓矢を矢継ぎ早に敵軍に浴びせかけ、その動きを止めたところに長柄隊などの白兵戦部隊が突入する。
連判状
(れんばんじょう)
基本 二人以上が署名した書状。
籠城戦
(ろうじょうせん)
戦法 城の防御力を利用して戦うこと。城に籠もることを「籠城」と呼ぶ。
浪人
(ろうにん)
基本 特定の主人を持たず、放浪する武将のこと。
脇差
(わきさし)
武装 打刀の一。長さ一尺以上二尺未満であり、小太刀を含む場合もある。二尺以上の打刀と併用して装備される。
脇立
(わきたて)
武装 動物の角のように鉢の横合いから突き出た装飾。
和睦
(わぼく)
基本 戦が交渉によって停戦すること。和議とも。

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