城郭
「龍鷹戦記」の用語説明ページ、万覚帳の城郭編です
城の分類や築城での普請、作事について説明します
用語 | 説明 | |
城 | 城 (しろ) |
軍事上の防衛施設として建設されたもの。山や川などの天嶮を利用した要塞として築かれる一方、政治の中心である政庁としての一面も持つ。地域の戦略・政略ともに重要な拠点。 |
山城 (やまじろ) |
山地の天嶮を利用して作られた城。 | |
平山城 (ひらやまじろ) |
丘程度の高低差を利用して築かれた城。政治に優れた平城と合戦に優れた山城の利点を受け継いでいた。 | |
平城 (ひらじろ) |
湖や川に囲まれた平地に築かれた城。交通の便がよく、城下町を整備しやすかった。しかし、合戦となれば周囲全てが敵と相対することになり、兵力分配はそのまま勝敗を決する可能性があった。 | |
陣城 (じんじろ) |
合戦や城攻めの折に短期間で建てられた防御陣地。 | |
砦 (とりで) |
城よりも簡易な防御施設を指すことが多い。城が政庁としての役割を持っているのに対し、砦は軍事的な役割が強い。 | |
城割 (しろわり) |
占領した土地の城砦を破壊して破棄すること。敵の反抗拠点を潰す目的があった。 | |
普請 (ふしん) |
築城に当たり、石垣や堀などの土木作業のこと。 | |
縄張り (なわばり) |
城の基本設計。 | |
曲輪 | 曲輪 (くるわ) |
郭とも書く。城内を区画する区画。 |
惣構え (そうがまえ) |
城だけでなく、城下町をも囲い込んだ防御施設。城塞都市に通じる。惣曲輪とも。 | |
本丸 (ほんまる) |
城の防御における中心区画。全ての曲輪は本丸防衛のために造られる。城の攻防戦における籠城方の本陣。天守閣が屹立することもある。 | |
二ノ丸 (にのまる) |
本丸に続く重要な曲輪であり、平時も大事な建物が並ぶ曲輪。 | |
三ノ丸 (さんのまる) |
曲輪の一。三の曲輪などと称し、本丸防衛のための曲輪ではあった。また、本丸に近いことから武家屋敷が建ち並ぶこともあった。 | |
帯曲輪 (おびぐるわ) |
帯のように細長い形状をした曲輪。主要な曲輪を守るために作られた。 | |
井戸曲輪 (いどぐるわ) |
曲輪の一。井戸を確保するためのもの。籠城戦に突入すると水は貴重になり、水の手の攻防は城の命運を左右した。 | |
馬出 (うまだし) |
曲輪の一。出撃拠点として重視された。土塁で築かれる角張った角馬出、石垣や土塁で築かれる弧状の丸馬出がある。丸馬出を囲む堀は形状から三日月堀と称される。 | |
虎口 | 虎口 (こぐち) |
城の出入り口に当たる区画。城外への出入り口の他、別の曲輪へと繋がる出入り口も虎口と称した。 |
枡形 (ますがた) |
城門の防御機能のひとつ。一の門と二の門の間に作られた四角形の空間。 | |
大手門 (おおてもん) |
虎口の一。城の表口である大手に作られた城門。城の表門に当たる。 | |
搦め手門 (からめてもん) |
虎口の一。大手門に対することまであり、裏門のこと。 | |
高麗門 (こうらいもん) |
虎口の一。従来の門より屋根を小さくし、守備側の死角を減らした門。枡形の一の門として用いられる。 | |
櫓門 (やぐらもん) |
城門の上に人が入れるような櫓になっている門。 | |
堀 | 堀 (ほり) |
城の基本的な防御施設である窪地。水がある堀を「濠」や「水堀」、水がない堀を「壕」や「空堀」と表すこともある。 前者は湖や海、川の水を引き入れ、鉄砲伝来以降はその幅が大きくなった。後者は水を率いられる状況にない山城などに採用された。 |
内堀 (うちぼり) |
堀の一。本丸などを囲む堀で最終防衛ラインを形作る。 | |
外堀 (そとぼり) |
堀の一。城の内外を区切る堀。 | |
障子堀 (しょうじぼり) |
堀の一。内部に障害として低い土塁が築かれ、畝堀とも言う。その障害は敵兵の移動を妨げるだけでなく、雨水を溜めて容易に抜け出せなくする効果があった。 | |
塁 | 土塁 (どるい) |
土を盛り上げることによって築かれる防御施設。基本的に堀を掘った土をその内側に盛って作った。雨が降るとぬかるみ、登る障害となった。 |
石垣 (いしがき) |
石を積み上げた防御物。 | |
武者走り (むしゃばしり) |
石垣や土塁の下に位置する細長い通路。人が通れないほど細い場合には「犬走り」と呼ぶ。 | |
作事 (さくじ) |
築城にあたって、天守や櫓、土塀、城門などの大工工事のこと。 | |
櫓 | 櫓 (やぐら) |
城の防御強化のための施設。漆喰で固めた壁や瓦葺きの立派なものから木組みのものまで幅広く存在した。 |
天守閣 (てんしゅかく) |
天守とも。本丸に建つ二層以上の櫓を指し、城の象徴的な建物。籠城戦の折には総大将が陣取り、最大の物見櫓として使用して籠城戦の指揮を執る。故に陥落すれば城の陥落を意味する最終防衛ライン。 | |
多聞櫓 (たもんやぐら) |
塀のように細長い櫓。石垣の上を塀ではなく、櫓によって防御を固めるために作られた。 | |
隅櫓 (すみやぐら) |
曲輪の隅に築かれた櫓。石垣の城に多い。 | |
物見櫓 (ものみやぐら) |
周囲や敵情を監視する櫓。二層の立派なものから木を組んだだけの簡易的なものまで幅広く存在した。上部に取り付けられた半鐘で急を知らせる。 | |
その他 | 御殿 (ごてん) |
城主が生活する建物。一般的に城主は天守閣には住まず、本丸御殿と呼ばれる平屋の建物で寝起きした。 |
狭間 (はざま) |
鉄砲や矢で攻撃するために塀や櫓に空けられた穴のこと。縦に細長いものを「矢狭間」、丸や三角、四角のものを「鉄砲狭間」と呼ぶ。 | |
石落とし (いしおとし) |
櫓の隅から石を落とすために作られた施設。弓や鉄砲での攻撃にも使用。 | |
拮橋 (はねばし) |
引き上げることのできる橋。籠城側では撤去可能な橋として、攻城側では橋をかけるために利用された。 |