武装
「龍鷹戦記」の用語説明ページ、万覚帳の武装編です
ここでは兵や武士の装備品について説明します
用語 | 説明 | |
刀 | 太刀 (たち) |
腰に吊す、反りの大きい刀。騎乗で使いやすいように発展した。打刀と違い、刃を下にして吊すため、一度引き抜いてから使った。 |
打刀 (うちがたな) |
刀の一。騎馬戦に特化した太刀とは違い、地上戦に特化した。反りが少なく、太刀とは逆に差すことが特徴。戦国時代以降、刀の主流となり、剣術は打刀の戦法である。 | |
脇差 (わきさし) |
打刀の一。長さ一尺以上二尺未満であり、小太刀を含む場合もある。二尺以上の打刀と併用して装備される。 | |
拵え (こしらえ) |
刀の鞘、鍔などの外装に対する総称。 | |
槍 | 大身槍 (おおみやり) |
穂の長さが一尺以上の槍。 |
菊池槍 (きくちやり) |
片刃の小刀を長柄にはめた槍。 | |
笹穂槍 (ささほやり) |
笹の葉のような形状をしている槍。最も多い槍である。 | |
十文字槍 (じゅうもんじやり) |
槍の一。主に武将が用いる槍で穂先が十の字の形状をしている。鎌十文字槍や千鳥十文字槍などに細分化される。 | |
長柄 (ながえ) |
@ 棒や柄の部分が長い武器のこと。 A 長柄槍のこと。長柄足軽が装備し、戦国時代の主戦力となった。 |
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石突 (いしづき) |
槍や刀の鞘、馬印などの先端を多う金属製の部品。バランスを保つための重りとしての役割がある | |
弓 | 箆 (の) |
矢の棒の部分。主に竹を用い、城には竹が植えられた。籠城戦の折、女子どもはこの竹を切り、矢を作った。 |
鉄砲 | 鉄砲 (てっぽう) |
火縄銃とも。十匁未満の弾丸を使う者。標準的な弾丸は六匁弾。 伝来以後、主力となり、鉄砲足軽の数が急増した。 |
大鉄砲 (おおでっぽう) |
厳密には十匁以上百匁以上の弾丸を発射する火砲のことだが、十三匁筒を鉄砲と呼ぶことも多い。確実なものは二十匁以上を発射するもの。抱えて撃つ、抱え筒が多く、それだけ反動が大きい。並みの土塀ならば撃ち崩す威力を持ち、人に当たれば甲冑の上からも人体を微塵にする威力を持つ。 | |
火皿 (ひざら) |
鉄砲の一部。煙硝を盛る場所。 | |
火縄 (ひなわ) |
鉄砲の一部。発射に必要な火を灯す縄。燃えやすいように硝石の粉末が編み込まれた。 | |
火挟 (ひばさみ) |
鉄砲の銃身に火縄を固定するためのもの。 | |
火蓋 (ひぶた) |
火皿を覆う金属製の蓋。「火蓋を切る」という言葉は合戦が始まる時に火蓋を開けることに由来する。 | |
早合 (はやごう) |
鉄砲の装填時間を短くした技術。弾丸と一発分の火薬をセットにした筒。鉄砲足軽はその筒を体に巻き付けて戦った。 | |
煙硝 (えんしょう) |
弾薬とも。弾丸を発射するための火薬。灰、硝石、硫黄を主原料する。また、弾丸を発射する装薬と火縄の火を装薬に発火させる伝火薬がある。 | |
硝石 (しょうせき) |
弾薬の原料の一。硝酸カリウム。国産できず、輸入に頼ったのが玉薬の高値に直結した。 | |
兜 (かぶと) |
冑とも。頭部を覆う防具。 | |
兜 | 当世冑 (とうせいかぶと) |
戦国時代に流行した冑。目立つ形状のものが多い。 |
一ノ谷 (いちのたに) |
当世冑の一。巨大な前立を特徴とする。 | |
烏帽子形 (えぼしなり) |
当世冑の一。烏帽子を象った兜。 | |
筋兜 (すじかぶと) |
鉄板の繋ぎ目が筋状になった兜。 | |
頭形 (ずなり) |
鉢の鉄板の数が減り、筋兜よりも簡略化された兜。 | |
唐冠形 (とうかむりなり) |
当世冑の一。中国風の帽子を象った冑。 | |
星兜 (ほしかぶと) |
星と称される金具で鉄板の繋ぎ目を接合した兜。 | |
鉢 (はち) |
冑における鉄製の半球部分。十枚以上の台形の鉄板が組み合わされ、鉢状に加工された。 | |
前立 (まえだて) |
鉢の前面にある装飾。防御力よりもデザイン性が重視された。 | |
脇立 (わきたて) |
動物の角のように鉢の横合いから突き出た装飾。 | |
具足 (ぐそく) |
鎧を意味する言葉。戦国時代は大鎧から当世具足への移行がなされた。 | |
具足 | 当世具足 (とうせいぐそく) |
戦国時代に発展した具足。実戦向きに軽量化され、各部がシンプルになって量産化に優れる。また、新兵器である鉄砲に対する備えもなされた。 |
胴丸 (どうまる) |
背中の部分から簡単に着脱できる鎧。兵士を中心に導入された。 | |
腹巻 (はらまき) |
右脇の部分から着脱する鎧。 | |
陣羽織 (じんばおり) |
袖無しの羽織。具足の上から羽織った。 | |
縅 (おどし) |
威とも書く。札を緒(太い糸)で結ぶこと。形状や色で名前が付き、その名前が鎧の名前にも用いられた。 | |
札 (さね) |
甲冑に使用される細長く穴の開いた板。 | |
籠手 (こて) |
肘から下を防御するもの。 | |
草摺 (くさずり) |
大腿部を保護する防具。 | |
脛当て (すねあて) |
膝下を保護するための防具。 | |
馬具 | 鐙 (あぶみ) |
馬具の一。鞍の一部であり、騎乗者の足がかり。 |
馬鎧 (うまよろい) |
馬具の一。馬のための甲冑。実戦用よりは装飾用に用いられた。 | |
轡 (くつわ) |
馬具の一。馬に咥えさせ、それに手綱を結びつけることで馬を操作する。 | |
手綱 (たづな) |
馬具の一。馬を方向転換などの制御するための緒。緒は太い糸や布などが使用された。 | |
合標 (あいじるし) |
戦場において、敵味方を識別するマーク。陣笠に付ける傘印、袖に付ける袖印など。 | |
旗 | 馬印・馬標 (うまじるし) |
部将の傍に立て、その存在を示す旗や幟、軍扇。総大将はそれで部将の位置を知り、部将は総大将の位置を知る。 |
指物 (さしもの) |
旗指物とも。鎧の背に付けた旗。馬印と同じように自身の存在を示すものだが、所属部隊を明らかにするために統一化されることもあり、個人の自由にいかないこともあった。 |