「岩の坩堝」/三



 酒呑童子山。
 現大分県日田市中津江村と上津江村の境界に位置し、津江山地の南に位置する。
 姉妹峰の小鈴山と共になだらかで大きな山体が特徴的である。
 地質的に鮮新世火山岩が広がり、耶麻渓や玖珠地方の山々と同じく溶岩台地を形成している。

 山の名前の由来は、酒を飲む童子が鬼を倒したことに由来する。
 詳しく述べると、乳代わりに酒を飲むために"酒呑童子"と名付けられた子どもがいた。
 この子どもが近くの山に住む鬼を退治するために山へ入り、鬼と酒の飲み比べをした結果、鬼が倒されたという。

 この伝承通り、山の近くには人が住んでいた。しかし、龍鷹戦記の時代に人が住んでいたのは、鯛生川河畔――酒呑童子山北西――と川原川河畔――同山東方――のみである。
 このため、酒呑童子山はひっそりと佇む地域の名峰として同地にあった。



「―――ほぼ掃討したかえ?」

 久我は先程まで喧騒に包まれていた山を見下ろしながら呟いた。
 彼女がいるのは酒呑童子山山頂であり、眼下には小さな炎も見える。
 これは隠れ住んでいた鬼の里を焼き払った光であり、現在の静寂は鬼の抵抗を排除した証拠とも言えた。

「存外にあっけなかったのぉ」

 酒呑童子に退治されたという鬼は一体だ。
 この山にはまだ多くの鬼が住んでいた。
 これを久我が率いる死者の軍勢が制圧したのである。
 その理由はただひとつ。

「ヒトよりも鬼の素体の方が強いに決まっておるからの」

 全てはこれから起こす軍事行動のための、戦力補強である。

「さあて、もう一息かの」

 久我は視線を南東へ向けた。






阿蘇scene

「―――では、こういうことで・・・・」

 鵬雲六年九月十三日、肥後国阿蘇神社。
 火雲珠希がそう言うと、場にやや弛緩した空気が流れた。
 昨日から続く会議がまとまった瞬間なのだ。
 参加者は誰もが小さくため息をついた。

「ようやく決まったな・・・・」

 鷹郷忠流が脇息に半ば体重を預けながら言う。

「まあ、お互いの利益を最大限に得ようとする外交の場だからね」

 龍鷹侯国、聖炎国、燬峰王国、銀杏国。
 これだけの国が集まって、利害が一致することは至難の業と言えよう。

「でも、時間をかけた分、均等と言えるんじゃないかな」

 珠希が会議内容をまとめた書状を見下ろした。


 今回の虎熊宗国への侵攻作戦は以下の通りだ。
 侵攻口は、筑後国柳川方面、筑後国八女方面、肥前国佐賀方面、豊前国宇佐方面の四正面だ。
 筑後国柳川方面:聖炎軍団・龍鷹軍団(主力)
 筑後国八女方面:龍鷹軍団(豊後衆)
 肥前国佐賀方面:燬峰軍団
 豊前国宇佐方面:銀杏軍団
 総兵力は四~五万となる。

(これだけの兵を出しても・・・・虎熊軍団とほぼ同数っていう・・・・)

 肥後遠征に参加した虎熊軍団は約五万と見積もられている。
 今回はここに北肥後勢――旧火雲親晴勢――が欠けているとは言え、肥前衆が加わるだろう。

(長門衆がどう出るかで変わるか・・・・)

 虎熊宗国を挟んで反対側に位置する出雲や安芸にも使いを出す予定だ。
 これらの戦力が中国地方――長門・周防――の虎熊軍団を拘束してくれなければ、遠征は厳しいものになるだろう。

「しかし、龍鷹侯国は遠征できるのか?」

 聖炎国、燬峰王国、銀杏国は隣国への侵攻だ。
 国境地帯にはある程度の拠点や物資があり、侵攻準備も容易である。

「まあ、遠いよなぁ」

 一方、龍鷹侯国は虎熊宗国とは接していない。
 最も近い領土は豊後国大分平野と言えるだろうが、直線距離でも二〇里(約80km)以上ある。
 なお、直線距離だけで言えば豊後国竹田盆地からの方が近いが、街道の関係から大分平野の方が移動時間は短かった。
 だが、これらは筑後国八女方面を担当する豊後衆・鹿屋氏の担当だ。
 主力が担当する筑後国柳川方面はさらに遠い。
 肥後国水俣から筑後国柳川まで、熊本経由でおおよそ三〇里。
 本国である薩摩からすれば、これ以上だ。
 龍鷹侯国を出て、聖炎国領国を越えて虎熊宗国に入るまでにおおよそ七日はかかると見られていた。

「ただ、豊後遠征で得た教訓がある。軍がちゃんと考えているさ」

 連日、陸軍や海軍の将校が喧々囂々と議論を交わしている。
 時に物が飛び交っているが、ご愛敬だ。
 会議場の壁に穴が開いたので、別に移動したという報告もあったが、それも些細な問題だろう。

「まあ、一番の心配はキミの体力だろうね」
「それは違いない」
「・・・・否定しないんだね」
「バレていることを、強がっても仕方ない」

 仮にも他国の国主を相手に、見栄を張ることなく、素を見せる忠流。
 自他ともに認める戦略家であるふたりの間に、隠し事は無意味と思っているからだ。

「ま、俺が倒れていたとしても、陸軍卿がどうにかするさ」
「鳴海直武殿が、かい・・・・?」

 珠希からすれば鳴海直武は武人であり、戦場の指揮こそ生きる人間だ。
 戦略的判断を自分でするように見えない。

「大丈夫大丈夫。別にあいつが手を動かすわけじゃない」
「ああ・・・・」

 才ある人間に、全権を与えてやらせているということだ。
 そして、その才ある人間の採用は鳴海に任せているのだ。

「因みに、興味本位に、どうするのか聞いていいかい?」
「あ? あ~・・・・ま、いいか」

 むくりと体を起こし、忠流は珠希に向き直った。

「単純に、小荷駄隊の拡張と正面兵力の縮小だ」

 小荷駄隊とは、補給部隊である。
 実戦戦力に追随し、武器弾薬・食料の供給を行う。
 その輸送力は人馬と物資集積点から前線までの距離に依存していた。
 このため、輸送力の拡張は如何に物資集積点に物資を積み上げるのか、そこから前線へ送る輸送力を拡張するのかにかかっている。

「ああ、だから三角港の使用許可を求めたのか」

 有明海の虎熊水軍は壊滅状態だ。
 三角港を基点に龍鷹海軍が制海権を得なくても良い。

「ああ。三角港は最大の物資集積点と海路運搬の拠点とする」

 三角港は古くから肥後本土と天草を繋ぐ要衝として港があった。
 さらには中国大陸への航路の起点でもあった。
 宇土半島の先端付近に位置し、大矢野島・維和島・戸馳島に囲まれた内海に面している東港。
 宇土半島と大矢野島との間の海峡に位置する西港に分かれる大規模な港であり、八代海と有明海を繋ぐ。
 薩摩から運ばれる大量の物資を集積するにはちょうどいい立地および設備だった。

「でも、ボクが気になるのは、正面兵力の縮小かな」

 文字通りであれば、遠征兵数の減少だ。
 だが、これは理に適っている。
 一万人の兵を遠征させるよりも五〇〇〇人の兵を遠征させる方が楽だ。
 問題は、戦力が低下する。
 それは戦線を同じくする聖炎軍団からすれば無視できない。

「結構な期間になりそうだから、途中で兵を入れ替えようかな、と」
「・・・・んー、継戦能力の維持って点では尤もな判断かぁ・・・・」

 なお、忠流の中での兵数は次の通りだ。
 動員するのは薩摩・大隅・日向南部・肥後南部の兵だ。
 一万石(実石)当たり三〇〇の動員を考え、その兵力は約三万超としていた。しかし、正面戦力の入れ替えを考慮して約二万と今は考えている(同様の計算で二〇〇名動員)。

「その分、期待しているぞ、聖炎軍団」
「・・・・まあ、柳川を攻めるくらいならね」

 筑後へ龍鷹軍団と聖炎軍団が侵攻するが、筑後に入ってからの侵攻経路は異なる。
 侵攻経路は、海岸線を進んで筑後に入る道(現大牟田市に至る)と南関から山岳地を進んで筑後に入る道(現みやま市に至る)だ。
 両方とも聖炎軍団が先導するが、矢部川を越えて柳川・田花氏の領地に攻め入る聖炎軍団とそのまま北上して、矢部川東岸を制圧する龍鷹軍団に分かれる。

「あっさりと降伏してくれないかな」

 田花氏の当主・晴連は御年十五歳。
 忠流や珠希よりも三つ年下だ。

「その御母堂が田花家でどれだけの立場にあるか、だな」

 例に漏れず、田花氏も虎嶼氏の縁戚だ。
 晴連の母・慶は虎嶼持弘の長女であり、晴胤や親晴の姉だ。
 田花氏も出雲遠征で大打撃を受け、重臣一同が討ち死にしている。
 このため、家中の舵取りはこの慶と生き残った重臣・嵯峨連成でなされていた。
 なお、晴連の正室に嵯峨連成の娘が充てられていることも、家中引き締めの一環と言えよう。

「田花氏の戦力は約三〇〇〇~四〇〇〇。これに対して、聖炎軍団は八〇〇〇以上だよ。正面から戦うかな?」
「柳川城の防御力次第じゃないか?」

 珠希の疑問に忠流が答えたが、それに珠希はため息をついた。

「・・・・何を言っているんだい、君は」

 ため息後、ジト目で忠流を睨む。

「柳川城は難攻不落で評判だよ」
「え゙?」

 柳川城は北九州を代表する平城だった。
 その特徴は複数の掘割であり、攻略するためにはひとつずつその堀に囲まれた区画を攻略する必要がある。
 急峻な地形に築かれた山城の背後から襲うような迂回戦術は意味をなさず、四方が全て前線として機能する。
 また、そもそも柳川城に至るためにも東方からは矢部川、北・西方からは沖端川が横たわっていた。
 田花氏は少数戦力でも遅滞戦術で敵に出血を強い、最後は柳川城の堅固な守りで敵を撃退するのだ。

「まるで聖炎国のようだな」
「そうだね。ウチの弱小版かな」
「弱小と言い切るってことは、策があるってことか?」
「まあ、見ててよ」

 ポンポンと軽口を叩き合う忠流と珠希に、従流が声をかけた。

「ずいぶん、馬が合うんですね?」
「「?」」

 言葉の内容を一瞬理解できず、疑問符を浮かべる忠流と珠希。
 しかし、すぐに忠流が答える。

「同じ思考回路なのか、説明が楽なんよ」
「それは間違いない」

 「だが―――」「でも―――」とふたりは続けた。

「「油断はできない」」

 バチバチと視線を交わした忠流と珠希は、同時に視線を外して各々の側近と共に退出する。

(やれやれ)

 従流は無言で肩をすくめて言った。

「楽しそうで何よりです」




「―――化け物ですか、あの人たち・・・・」

 会談のあった日の夜、阿蘇神社にいた手勢を率いて踊山神社に戻った結羽は、寝室に敷いた布団の上にうつぶせで突っ伏していた。
 故にくぐもった声であったが、声に載せられた恐怖が聞いて取れる。

「まあ、若くして国家の頂点に立つ御仁らですから」

 脇に座った従流は茶を飲みながら苦笑した。

「うぅ~」

 ゴロゴロと転がり、従流の膝の上に頭を載せる結羽。

「まんまと軍を出さされました。また兄上に怒られそう」
「大戦略上、当然と言えば当然ですけどね」

 燬峰王国は佐賀にいる虎熊軍団と真っ向から戦うこととなった。

「でも、主戦線は筑後方面ですから」
「うー、国力で言えば聖炎国より上だというのに!」

 伊万里の戦いの結果、松浦の津村氏、唐津の中津氏を支配下に治めることとなっている。
 このため、肥前国五郡(高来・彼杵・藤津・杵島半分・松浦大部分)、肥後国一郡(天草)の約二三万九〇〇〇石を領することとなっていた。
 一方、龍鷹侯国は一〇〇万九〇〇〇石、聖炎国は三八万七〇〇〇石だ(検地によって微修正)。

「まあ、実石で上回ったと言っても、それはあくまで試算ですがね」

 国力を示す実石はそれぞれ以下の通り。
 燬峰王国:四四万七〇〇石(漁業・貿易による収入多し)
 聖炎国 :四三万八〇〇〇石
 龍鷹侯国:一三五万石六〇〇〇石(貿易・鉱山による収入多し)
 つまり、産業などを含む収入面で言えば聖炎国より燬峰王国の方が上なのだ。

「でも、だったら別に佐賀を落とす必要もないじゃないですか!」

 燬峰王国に課せられた課題は、佐賀城の攻略=佐賀方面軍の壊滅だ。

「確かに。厳しい戦いになりそうですね」

 津村氏も動員するとしても、燬峰軍団は約一万。
 佐賀にいる虎熊軍団もほぼ同数が動員できると見ていた。

「戦いの舞台は佐賀平野ですから、大軍同士の激突でしょ? 寄せ集めの燬峰軍団には厳しいよぉ」

 燬峰軍団を寄せ集めと言うのは、主力である燬羅氏はひとまとまりだ。しかし、佐世保や松浦に関してはそれぞれの軍役がある。
 規律が必要な野戦決戦を戦うには佐世保や松浦の動きが読めない以上、難しい。
 本来であれば合同訓練などで部将同士の特徴を把握するのだが、それをしている時間はない。

「だから、佐世保や松浦は別動隊扱いとし、本隊で挑むのが定石ですね」
「・・・・できる?」
「う~ん・・・・」

 佐賀平野に侵攻する際、三つの主要侵攻路がある。
 鹿島口:塩田川を越え、現国道207号を北進。
 武雄口:六角川沿いに東進。
 多久口:伊万里・唐津から多久方面へ侵攻。

「この内、多久口は津村氏と中津氏に担当してもらえばいいでしょう」
「その他はウチだね」

 鹿島口と武雄口は、須古城(佐賀県杵島郡白石町堤)や乙宮山城(同県同郡江北町上小田)で合流することになる。
 その後、牛津川を越えて佐賀を目指す。

「・・・・須古城の攻囲を佐世保に任す?」
「それがいいかもしれませんね」

 須古城は武雄から杵島山を挟んだ反対側だが、両口の侵攻路からやや外れる。しかし、放置しては補給路の確保に支障があるため、抑える必要があった。

「何にせよ。今後の国家関係を決定づける戦になりそう・・・・」
「そうですね」

 従流はぐったりとする結羽の頭を撫でる。

「・・・・まあ、ここから帰れたら、ですけど」

 そう、小さく呟いた。




「―――さて、どうだ?」

 会談のあった日の夜、阿蘇神社にいた手勢を率いて円通寺に戻った忠流は、紗姫に聞いた。

「なんて漠然な問い・・・・」

 それを受けた紗姫は若干呆れた声音で返したが、すぐに表情を引き締める。

「今のところ、異常なしかな」
「そうじゃの、結界も正常に機能しておる」

 紗姫の言葉を繋いだのは昶だ。

「んー・・・・絶好な餌だと思うんだがなぁ」

 忠流は腕組みをして唸る。

「ま、敵さんからしたら、これ以上ないほどの餌であることは間違いない」
「でも、それが警戒されたってことかな?」

 昶の言葉に紗姫が首を捻りながら言った。

「・・・・それはないじゃろ」
「でも、阿蘇の結界は強固だよ?」

 阿蘇神社が位置する阿蘇カルデラは周囲に岩壁が聳え立つことは先にも述べた通りだ。
 しかし、紗姫らの言う"結界"はこの物理的な防壁ではない。

「阿蘇神社を中心に北から右回りに押戸石、わくど石、古閑の滝、穿戸岩、御矢石、御足跡石、恐ヶ淵、数鹿流ヶ滝と霊的要が取り巻く、阿蘇結界」
「霊的に言えば、阿蘇は鉄壁を誇るってことだろ」

 紗姫が挙げた場所は、所謂パワースポットと呼ばれるものであり、これらと阿蘇山によって天然の霊的防壁を形成している。

「そんな場所に安心して、敵対する首脳陣が集まる」
「さも、襲ってくれとのばかり、の」

 鉄壁の守りを信じて油断しているところを急襲する。
 奇襲のお手本と言える状況をお膳立てしたというのに。

「ま、俺の勘だと"来る"ぞ」
「へぇ? どうしてじゃ?」
「勘だって」

 忠流は昶に笑いながら言い、床几に座った。そして、忠流に具足を着せていた小姓たちが一礼して退出していく。

「でも、挨拶をぶちかますにはちょうどいいって思うだろ?」

 ウインクをして見せた忠流に、紗姫と昶が顔を見合わせた。そして、同時に肩をすくめて見せる。

「「ま、確かに」」
「さあ、派手にやろうぜ」

 そう言って、忠流は北西を見遣った。


「「「―――ん?」」」


 少し地面が揺れた。
 「地震か?」と思うと同時に、次には轟音が鳴り響いた。

「あれ? 南西?」

 何かあるとしたら北西と思っていた紗姫が音の方向を見る。

「・・・・阿蘇山か?」

 その方角にあるものに思い至った忠流が立ち上がり、部屋の外に出た。



―――そして、絶句した。



「おいおいおい・・・・ッ」

 直線距離でおおよそ二里強(約8km)離れた阿蘇山の火口。
 その付近が赤く染まり、盛大に噴煙を噴き上げている。

「御館様、危のうございます。早く屋内へ」

 忠流を見つけた加納忠猛が走り寄ってきた。

「噴火です! 桜島の噴火とは違い、爆発的なものです!」
「って、そっちじゃないッスよ?」

 一緒に駆けてきた長井忠勝が言う。
 彼の言う通り、建物から出てきた忠流と紗姫、昶はチラッと火口を見た後、別方向を見ていた。

「・・・・来たか」

 「「何が?」」と首を傾げた忠猛と忠勝を無視し、忠流は紗姫の手を握る。

「弥太郎は半鐘を鳴らせ。忠猛は猛攻や幸盛らを呼んでこい」

 疑問符をさらに増やすふたりは、次の瞬間には駆け出した。
 それは一瞬の光の後、紗姫が大身槍・<龍鷹>の姿に変わったからである。
 言うまでもなく、有事の合図だった。

「あの娘っ子、うまくやっとるかの」

 大身槍を肩に担いだ忠流の横に並んだ昶が言う。
 その手には鈴がついた釧が握られていた。

「自分から先鋒を引き受けたんだ、何か策があるんだろう」
「ならば、後詰めとしての役目を果たさないとの」
「分かっているさ。ここで見殺しにでもしたら同盟は崩壊だ」

 話しながらも視線を逸らさなかった北西で、ついに何かが砕けるような音がする。

「大がかりだな」



―――直後、空が割れた。










第三戦第二陣へ 龍鷹目次へ 
Homeへ