「銀杏の落葉」/三



 肥後国阿蘇郡。
 古くから阿蘇神社の勢力が地域支配層となっている珍しい地域であり、聖炎国に属していた時からも半独立勢力として君臨していた。
 聖炎国が内紛状態になった時も中立と言えば聞こえはいいが、事実上傍観する。
 その後に銀杏国が軍事的恫喝を受けて勢力下についたが、独立性は維持していた。
 だから、龍鷹軍団の北上が囁かれても、日豊国境に動員されることはない。
 だが、言うまでもなく、この地は豊肥国境の交通の要衝であり、肥後方面から豊後へ至るには確実に抑えるべき地域だ。
 故に龍鷹軍団が本格的に豊後攻めを実施する時、その戦力の攻勢にさらされることは当然と言えた。
 また、聖炎国にとっても阿蘇は放置しておけない土地だ。
 このため、龍鷹軍団の豊後攻めには積極的に協力することで応えた。
 その行動は―――


―――阿蘇征伐である。






火雲珠希side

「―――粘るなぁ」

 鵬雲五年十月十四日、肥後国阿蘇郡阿蘇山北方。
 ここに聖炎軍団三〇〇〇が阿蘇地域の要の城――内牧城を取り囲んでいた。

「まあ、ここまで順調すぎだけどね」

 この軍を率いる総大将・火雲珠希が呟く。
 四日前、聖炎軍団五〇〇〇が豊後街道を通って阿蘇征伐を開始。
 阿蘇側は神社軍事部門の長――瀬堂且元が率いる阿蘇勢一五〇〇が黒川渡河を阻止するために無田-赤木地区で会敵する。
 しかし、聖炎軍団本隊四五〇〇とは別に益城勢五〇〇が南阿蘇地区を突破して黒川東岸へ侵出。
 これにより黒川を防衛線に使うことができなくなった阿蘇勢は撤退した。

(阿蘇北部に進出した我々も部隊を分けたわけだけど・・・・)

 珠希は背伸びするようにして東方――阿蘇神社の方を見遣る。
 そこには西岳川を挟んで睨み合う聖炎軍団別動隊五〇〇と阿蘇神社神民勢八〇〇がいるはずだ。
 神民勢の霊術は侮れないが、所詮は農民に毛が生えた程度。
 正規訓練を受けている聖炎軍団の敵ではない。だが、蹴散らしてしまえば今後の統治に差し障る。

「早く降伏してくれればいいのに」

 阿蘇神社の軍事部門である瀬堂勢が降伏すれば、阿蘇神社も抵抗せずに降伏するはずだった。
 阿蘇山南東には高森城を中心とする高森衆もいるが、今回は特に行動を起こしていない。
 とはいえ、警戒をしなければならず、益城勢五〇〇はその牽制と退路確保に当たっていた。
 また、瀬堂勢の一部は伏兵となっており、聖炎軍団の小荷駄を襲っている。
 これに対処するために五〇〇を割いており、本隊は三〇〇〇まで弱体化していた。

(まあ、それでも力攻めはできるけど)

 内牧城は黒川の自然堤防の上、周囲よりもやや高い微高地に築かれており、さらに黒川を南に改流させることで南北の堀としていた。
 しかし、聖炎国の主要城塞とは思えないほど小さく、防備の薄い平城だ。

「脱出の気配はない?」

 聖炎軍団は南方と西方に主な部隊を置き、北方から東方までには部隊を配置していない。
 このため、包囲と言っても脱出はできる。

「ありませんね」

 応じたのは今や聖炎軍団の大将と言っていい重臣・名島景綱の嫡男・名島重綱だ。
 今回も名島家から離れ、珠希の側近として参陣していた。

「阿蘇神社の守りとしては、内牧城を捨てて阿蘇神社に参集した方がいいと思うんだけどね」

 だから、阿蘇神社に進撃するように兵の一部を向かわせたのだ。
 それに慌てて城を脱出してくれれば城攻めをせずとも良くなる。
 ただその作戦は失敗している。

「どうすべきかな?」

 珠希は重綱に聞いた。
 珠希自身は戦略家だ。
 すでに内牧城に引き籠もってしまった瀬堂勢を攻略する戦術眼は持ち合わせていない。
 もちろん、損害を度外視した力攻め以外の選択肢で、だ。

「普通は降伏勧告ですね」
「決定的打撃を与えていないのに応じるかな?」

 まだ負けていないと思っている敵に降伏勧告した場合、意固地になる可能性がある。

「条件次第でしょう」
「条件ねぇ・・・・」

 聖炎国はこの侵攻前に阿蘇神社に対して降伏勧告をしていた。
 その内容は大宮司と軍事担当・瀬堂且元の左遷だ。

(勢力的には聖炎国の一部だったけど、高度な自治権を有していた阿蘇神社はさすがに嫌がるとは思っていたけどね)

 阿蘇大宮司の人事介入など、独立性のはく奪と言い換えてもいい条件だ。
 だが、珠希的に現大宮司の交代は必須条件である。
 国内での自治および神社領以外でも分社に積極的に関わった聖炎国を、御家騒動で国力が衰えたとはいえ早々に裏切った罪は重い。
 対外的なメンツもあるが、どうしてもその代償を負わせなければならなかった。

「珠希様は阿蘇をどうしたいと考えているのでしょうか?」
「完全に聖炎国の領土にしたいと考えているよ」

 これまでの半独立状態は許さない。
 火雲家の意向が素直に通る体制を確立したい。

「・・・・そうか」

 それには阿蘇神社が邪魔だが、阿蘇神社を滅ぼすわけにはいかない。

(阿蘇神社には一定の社領を保証して存続を認め―――)

「「―――瀬堂且元をこちらに取り込む」」

 珠希と重綱の言葉が重なった。
 ふたりはその後に視線を合わせ、ニヤリと笑う。

(そっか、そうだね)

 降伏勧告では瀬堂且元が阿蘇神社の軍事担当を降りた後に言及していなかった。
 それを聖炎国側で知行を用意、つまりは雇おうというのだ。

「自身の今後を保証されれば降伏に応じるだろうね」

 十月十五日、内牧城の瀬堂且元は降伏。
 自身がまとめていた阿蘇神社の兵を解散させた。
 瀬堂一族は珠希に臣従を誓い、熊本へと護送される。
 その護送集団を見届けた聖炎軍団は接収した内牧城で一夜を明かし、翌日には阿蘇神社向けて進軍を開始した。

「他愛もないよね」
「まあ、所詮は宗教勢力ですから。純軍事的行動には不向きです」

 多勢に無勢。
 抗戦することなく、阿蘇神社も翌日には降伏し、聖炎国の要求を呑んで大宮司は辞任する。
 阿蘇神社自体の独立性を維持するために次代の選出には口を挟まなかったが、大胆な知行割を敢行。
 阿蘇神社は大幅減封となり、内牧城は聖炎国からの城代が派遣され、阿蘇南部の豪族衆も本領安堵の上、聖炎国に臣従した。
 ここに対銀杏国の肥後口は開削されたのである。

「さあて、おまけで岡城の様子でも探るかな」
「恩を売る機会ですな」

 珠希と重綱はそう笑いあった。
 軍団に目立った損害はない。
 こちらの行動を注視しているであろう岡城勢の動向は龍鷹侯国に高く売れることだろう。

(先の防衛戦でもだいぶ借りが積み上がったからね。ここらで返しておかないと後が怖い)

 聖炎国と龍鷹侯国は対等な同盟関係にある。
 文書を交わしたわけではないが、事実上の攻守同盟だ。

(でも、対外的には違うよね)

 聖炎国の御家騒動に龍鷹侯国と虎熊宗国が介入。
 これに龍鷹侯国が勝利したことで、珠希率いる聖炎国は龍鷹侯国の属国と見られている現状だ。
 今回の阿蘇攻略を単独でこなしたのは、そうではない、と他国に示すためでもある。

(今度の豊後侵攻で借りを返し、名実ともに対等な関係だと示さないと)

 龍鷹侯国の侯王・鷹郷忠流は戦略家だ。
 さらに言うならば謀略家だ。

(今は味方とはいえ、こちらを食い潰せるのであれば容赦なくそうしてくる)

 珠希も同じタイプであるだけ、忠流の考えていることは予想できる。

「・・・・今回もえげつないことを考えているんだろうなぁ」
「何かおっしゃいました?」
「ううん、何でも」

 独り言を重綱に説明することはせず、珠希は首を振って先の考えを虚空へ飛ばした。

「とりあえず、君は部隊を率いて国境まで進んでみて。絶対に越えないようにね」
「相手が撃ってきたら?」
「撃ち返しながら後退。とにかく銀杏国と単独開戦はなし」

 先に聖炎国と銀杏国が開戦した場合、龍鷹軍団の豊後攻めは聖炎国の支援となる。
 そうなれば事実はどうあれ、龍鷹侯国は聖炎国の尻拭いをしたという評価になりかねない。

(全く、政治の世界は難しいね)

 珠希は兵に気付かれないよう、こっそりとため息をついた。






鷹郷忠流side

「―――気分はどうだ?」

 鹿児島で豊後攻めが発表されるよりも一週間前。
 忠流は薩摩半島南方に位置する硫黄島を訪れていた。
 ここは龍鷹侯国だけでなく、列島でも有数の硫黄生産量を誇る火山島だ。
 このため、龍鷹侯国が維持管理する硫黄鉱山が存在し、海軍の軍船も駐屯する。
 だが、噴煙を上げる火口から発生する亜硫酸ガスが時折生活圏を襲い、農作物に被害が出ることもあった。
 故に生活環境は良好と言えず、その辛さを与えるために古くから流刑地にもなっている。
 当然、気分がいいとは絶対に言えない。

「まあ、皮肉を言っても仕方がないか」

 それを知っている忠流の先の言葉は皮肉以外の何物でもない。
 青年はそんな島の地下牢を自室として分け与えられていたのだから。
 硫黄島独特の環境の他に、地中故の日照や換気の問題もある。
 当然、生活環境はお世辞にも快適とは言えなかった。

「―――私をどうするつもりだろうか?」

 護衛に長井忠勝と加納忠猛を従えた忠流に対し、目の前の青年は粗末な衣服と足に重りを付けた囚人スタイルだ。
 ただし、重りは固定物に繋がれておらず、重量という枷だけで行動を制約していない。
 逃げようと思えば逃げられる。
 ただ、さっきも言った通り、ここは四方が海に囲まれた島。
 重りを付けたまま岸に泳ぎ着けるものではない。
 逃走不可能な環境ゆえの自由であることは、捕まっている青年も理解していた。

(だからこそ分からないんだろうな)

 生殺与奪の権は忠流が握っている。
 だが、まだ青年が生きている事実は、言い換えれば忠流には青年を生かす理由があるということだ。
 青年はそれが分からないのだ。

「自身の血統を正しく理解した方が良いぞ」

 青年の名は冬峯刈胤。
 銀杏国前主・冬峯刈典の娘婿であり、次期当主と見られていた男だ。
 出身は虎熊宗国であり、彼が当主となった時には虎熊宗国の有力同盟相手として銀杏国の栄華は約束されていた、はずだった。

「明確に虎熊宗国と敵対した以上、私を生かしておく必要はないでしょう?」

 龍鷹侯国と虎熊宗国がまだ講和していないのは刈胤も聞いている。
 講和の条件に捕虜交換を提示するのは一般的であり、この折に有力な部将を交換する場合も多い。だが、刈胤をその対象にするには重要過ぎた。
 刈胤がいなくなれば銀杏国と虎熊宗国の同盟に傷をつけられるのだ。

「貴殿を亡き者にした方が当家の得られる利益が大きいことは理解しているぞ?」
「ならば―――」
「そう死に急ぐな」

 忠流は刈胤の言葉を遮る。

「貴殿を生かしているのには理由がある。別に戯れているわけではない」

 忠流はそこまで言うと、顎をしゃくった。
 その合図を受けた門番は手にした鍵で刈胤の重りを外す。

「・・・・これは・・・・」
「自由になったからって実力行使に出るなよ?」

 忠流はお道化て見せて、ふたりの護衛の後ろに隠れた。

「俺は貧弱だが、こいつらはなかなかだからな?」
「・・・・知っている」

 高城川で刈胤を撃破したのは、ふたりの内のひとりだ。

「そうそう、大人しくしておけば家族に会えるさ、きっと」

 ニヤリと笑う忠流。

「メッチャ悪役の言葉っすね」

 それに我慢できずに忠勝がツッコミを入れた。

「うるさいな。というか、お前の後ろにいるんだからお前は俺の表情が見えないだろう?」
「でも、絶対に外れていないっていう自信はあるッスよ?」
「や、弥太郎。あんまり口を挟むのはダメだよ。・・・・まあ、発言内容は否定しないけど」
「おいこら」
「ああ!? ごめんなさいごめんなさい」

 忠猛も思わず発言してしまい、さらに失言までしてしまう。

「ふん、まあいい。ほら、さっさと行くぞ、ここは空気が悪い」

 忠流はさっさと踵を返し、その背中に忠勝が続いた。そして、忠猛が視線で刈胤に歩くように求める。
 その求めに従って歩き出すと、忠猛が刈胤の背中に続いた。

「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」

 会話はなく、先頭を歩く松明の燃える音と足音が響く。
 そうして歩くこと数分。
 一行はようやく外に出た。

「・・・・ッ」

 まぶしそうに一行が目を細める。そして、海風が硫黄の匂いを掻き消した。だが、それがすぐに戻ってきて眉を顰める。
 刈胤がいたのは硫黄鉱山の坑道であり、火山の中腹だった。
 眼下には麓の街並みと港が広がっている。
 その光景を何気なく見下ろし、刈胤は外の光景に目を見開いた。
 硫黄島の港湾部に大小さまざまな船が停泊しており、外洋でも待っている船がいる。
 周囲には海軍の軍船が厳重に警備しており、一目で物々しい雰囲気が伝わってきた。

「これは・・・・」

 船には続々と積み荷が運ばれ、いっぱいになったと思しき船が出港していく。

「"まるで戦準備みたい"、か?」

 刈胤の反応に、忠流が言う。

「・・・・その通りです」

 船に積み込まれているのはこの島の特産品――硫黄だ。
 そして、硫黄の主な使用法は火薬と決まっている。
 火薬を大量に消費する事態など、戦以外ない。
 龍鷹軍団は明確な戦争準備にかかっている。
 それはいい。
 戦国時代なのだ、どこでもきな臭い話はある。
 問題はその相手がどこなのか、そして、そんな時期に刈胤が外に出されるとはどういうことなのか。

「相手は"銀杏国"。貴殿の国を滅ぼしに行く」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

 予想はしていたのだろう。
 何せ今の西海道で最も勢力を減退させているのは豊後・銀杏国だ。

「貴殿には本隊に従軍してもらう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 忠流と刈胤の視線が交錯し、火花のようなものが散ったような気がした。

「自らの家が滅ぶ様を見せつけようとするなんて・・・・」
「まさに外道ッス」
「ちょっと弥太郎、少しは歯に布を着せなよッ」
「でも思ったろ?」
「僕は思って飲み込んだんだからッ」

 視線を交わすふたりの後ろで小姓たちが揉み合う。

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 こめかみを引き攣らせる忠流と気の毒そうな視線を向ける刈胤。

「ちょっと失礼」

 忠流は刈胤の前から退き、ふたりの前に進み出た。

「おいお前ら」
「あ、いや、これはッ」
「何スか?」

 忠流はゆっくりと両腕を突き出し、ふたりの胸に触れる。
 そして、少女と見紛う可憐な笑みを浮かべて一言。

「―――墜ちろ」
「「お、ぅ、おおおおおぉぉぉぉぉ・・・・」」

 軽くひと押しし、通路から山肌に突き落とした。

「ふん、少しは反省しろ」

 腕組して麓向けて転がっていくふたりを睥睨する忠流。

「・・・・えっと、私が気にすることではないと思いますが・・・・」

 唖然とする門番たちを見遣り、刈胤が言う。

「私の前で護衛ふたりを自ら排除するって、何を考えているんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・オオウ」
「いや、遅いですって」

 己の状況に気が付き、ワタワタと刀を引き抜こうとする忠流にツッコミを入れる刈胤。

「まあ、おそらく噂の忍び衆が見張っているでしょうから、何もしませんよ」

 両手を上げて何もしないことをアピールする。

「・・・・いや、分かっていればいいんだ」

 取り繕う笑みを浮かべ、柄から右手を離した。しかし、左手は鞘に手をかけたままである。

「・・・・・・・・・・・・本当に他の見張りがいるのですよね・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 忠流はそれには答えず、視線を逸らした。そして、ふたりは奇妙な沈黙のまま、小姓ふたりが這い上がってくるまでそこで対峙することになる。



 後日談として、一部始終を目撃していた門番たちは語る。

「お侍さんたちは高度なやりとりをしていたのぉ」
「いや、あれは完全に御館様のやっちまった案件だろ」
「めんこい顔してお茶目要素もあるとか、オモロイ殿様じゃて」

 なお、その話を聞いた鉱山代官は真っ青な顔でかん口令を敷いたのは別の話である。






 何はともあれ、龍鷹軍団は大号令を発し、鵬雲五年十月十九日に鷹郷忠流は鹿児島を発した。
 軍団は各地で集合と分散を繰り返し、海上も利用した迅速な移動で二七日に主力は延岡城に集結する。
 これを延岡城主・神前豊政が迎え、二八日に一番隊の神前勢が北川を渡河。
 三番隊を構成していた鹿屋利孝率いる二五〇〇が本隊から分離し、日向街道を北上する。
 一方、主力はさらに東側の街道を分身して進み、この一万四五〇〇が佐伯城を臨む番匠川南岸に進出したのは十一月二日のことだった。

 この間、龍鷹軍団と銀杏軍団の間に目立った戦闘は起きていない。
 龍鷹軍団が銀杏軍団の軍旗である≪灰地に深緋の八咫烏≫を佐伯城で初めて見たのだった。
 銀杏軍団は国境線での防衛を諦め、地域主要拠点である佐伯城を龍鷹軍団の第一防衛線としたのである。
 日豊方面防衛線では、他に海側の臼杵城に兵が確認されている。
 また、鹿屋勢が向かった松尾城にも兵が入っていた。
 それ以外の拠点からはほとんど兵が消えている。

 これは龍鷹軍団による刈田などで海部郡が焦土化しても、防御の堅い城に戦力を集中する措置だ。
 その意味は、銀杏国による徹底抗戦である。
 龍鷹軍団は銀杏軍団が籠る要塞群攻略という難事に直面したのだった。










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