「龍虎の争い」/八



「―――ふん、日没のために戦闘停止だと?」

 『鈴の音』は龍鷹軍団本陣から離れた場所で呟いた。
 戦闘停止に伴い、前線に出ていた部隊から報告が上がってくる。だが、『鈴の音』は辞去していた。
 忠流は気にしないが、縁起事を気にする陣中作法では、あまり女性はいい印象を抱かれていない。
 信心深い武将ならば出陣前に妻とすら接触を断つほどだった。
 縁起事に縋りたい戦場において、それを気にする武将がいた場合、彼女の存在はいらぬ動揺を与える可能性がある。
 故にこういう時は忠流の護衛である加納郁も席を外すのが通例だった。

(我には都合がいい慣例よの)

 おかげで自由にできる。
 煩わしい黒嵐衆も戦働きに出たまま未だ帰ってこない。
 先程、簀巻きにされた国松貞鑑らしき男が小姓たちに担がれて運ばれていった。
 己の戦果を誇らず、戦場に残るとはあっぱれな者たちである。

「久兵衛」

 口の中で小さく呟いた。
 傍にいる護衛には聞こえない程度の声音。
 だが、それを正確に聞き取り、そこに隠された意図をも組む者がいた。

「――――――――」

 彼女の子飼いのひとりが袖から匂い袋を取り出し、それを握り潰す。
 そこから広がった香が、護衛たちから意志を奪い取った。

「さあ、始めようか」

 彼女の右目が紫色に輝き出す。そして、膨大な【力】が周囲に漂い出した。
 だが、その【力】も周囲に張り巡らせた対物理障壁に模した結界のため、外に漏れ出すことはない。
 忠流たちはこちらを注目しているわけではないが、好んで自らの存在を表に出すほど油断しているわけではなかった。

「さあ、続けよう」

―――シャンッ


「―――地獄の饗宴を」


―――シャンッ、シャンッ、シャンッ



 鈴の音が響く度に戦場を包む空気が変質していく。
 日没から黄昏に変わる中、その黄昏時の特徴である西の空の赤い残照が深紫色に変貌していく。
 暗い、ではなく、昏い。
 ぼんやりとした光の中、人がうごめくのは影で分かる。
 だが、それが誰だかは分からない。
 それでも同じコミュニティーを示す旗指物や袖印ははっきり分かった。
 まるでそれぞれの染料が発光しているようだ。
 そんな不気味な光の中、南方にいた者たちが猛然と動き出した。



「―――なんだ、これは!?」

 龍鷹軍団撤退を受けて部隊をまとめていた晴胤は、急変した外の光景に叫びを上げた。
 周囲の士分たちも立ち上がり、不安そうに辺りを見回している。

(龍鷹軍団はまだ何かするつもりなのか・・・・?)

 被害の速報を受けた時も叫びそうになった。
 概算で死傷者三五〇〇。
 これには潰走して緑川北岸へと渡った国松勢、筑前衆の損害は入っていない。
 白石勢、小瀬勢、晴胤勢がそれぞれ一二〇〇名弱ほど計上していた。
 これは一目に戦闘復帰不能と判断された数で、治療の結果次第では増減するだろう。
 とはいえ、後方で再編している国松勢、筑前衆の報告を受ければ増えることは確実だ。

(我の感覚では、倍といったところだろうが・・・・)

 周囲を睨みつつも晴胤は己が戦力を計算していた。
 開戦前に三万一〇〇〇を数えた虎熊軍団は、わずか二刻弱の時間で二割強の損害を受ける。
 残存戦力は単純計算で二万四〇〇〇。
 緑川北岸に渡った二部隊を戦力外とし、元々緑川北岸にいる後備を抜いた場合、晴胤の手元に残っているのは一万九〇〇〇だ。
 龍鷹軍団も無理な攻めをしたので、相応の被害を受けているだろう。
 仮に一割の損害だった場合、敵の残存戦力は二万四〇〇〇となる。
 開戦前の戦力差四〇〇〇は逆転し、五〇〇〇もの差となって虎熊軍団の前に立ちはだかっていた。

(それを認識し、夜襲に出るのか?)

 明日になれば緑川北岸の軍勢が戦力計上される。
 この場合、戦力は互角となる。だが、もはや今日のような奇策は通じない。
 両軍は消耗戦に移行し、地力に勝る虎熊軍団が勝利する可能性は高かった。

(だが、我が起きていることは計算違いだろう)

 龍鷹軍団の戦果は、虎熊軍団の指揮系統が機能不全を起こしていたからである。しかし、もうその指揮系統は回復した。

「来るなら来るといい。返り討ちにしてくれよ―――っ!?」

 そう意気込んだ晴胤が見たのは、戦わずに逃亡を開始した味方兵士の姿だった。
 夕方の明らかな負け戦に意気消沈していた彼らに、士分たちほどの戦意はない。
 ただでさえ遠征しており、肥後に入ってからも戦い尽くめだった。
 そこに来ての敗戦は彼らの心を折るには十分だ。
 本来ならばそれでも士分の叱咤激励や「誰も逃げないのに逃げられない」という集団心理が働くおかげで崩壊しない。
 だが、今回は違った。


―――"鈴の音"が鳴っているのである。


 "鈴の音"の【力】は感情に強く働き掛ける。
 佐敷川の戦いでは両軍兵士の闘志を刺激し、暴発させた。
 この【力】は広範囲に散布されるために強制力が弱い。
 故に同じく【力】を持つ士分には通用しにくいが、元々【力】が小さく、霊術の訓練も受けていない兵には効果抜群だった。
 そして、その状況はこの浜戸川の戦いでも変わらない。
 唯一違うのは、すでに虎熊軍団が戦意を失っていたことだった。
 隊列も何もなくただ咆哮しながら突撃する龍鷹軍団と青白い顔で刃先を揺らす虎熊軍団。
 どちらが強いのかは一目瞭然である。
 結果、両軍が槍を交えた瞬間に虎熊軍団が崩れた。

「こら!? どこへ行く!?」

 武器や甲冑を放り投げ、背後の緑川へと逃げる兵。
 それを見て動揺したのは士分たちだ。
 しかし、前線に配置されたそれらはすぐに龍鷹軍団の奔流に呑まれた。
 個人の武勇をあざ笑う数の暴力で蹂躙された彼らは首も取られずに踏み荒らされる。
 それは前線のあちこちで見られ、急速に本陣へ近づいてきた。

「いいだろう、我が武勇の前に数の力など無意味ということを教えてくれよう!」

 己の武器を掲げ、闘志を燃やす晴胤を馬廻衆が数人がかりで持ち上げる。

「お? おお?」
「ここはお退きをッ」
「もうどうにもなりません!」

 馬廻衆の目には、暴走する足軽の後ろを走る龍鷹軍団の士分が見えていた。
 馬廻衆が正気を保っているように、龍鷹軍団の士分もそれを保っているようだ。
 それらが一直線に向かってくる。
 如何に晴胤と言えど、有象無象ならばともかく士分を数百人相手にできるほど一騎当千ではない。
 ただの士分ならば可能だろうが、龍鷹軍団も多数の霊装を備えていることは分かっていた。

「ささ、お早く」
「あ、そーれ」
「「「わっしょいわっしょいわっしょい」」」

 晴胤が濡れないように数人の士分が晴胤のいくつかの部位を持ち、頭上に持ち上げるようにして運ぶ。

「ぅお!? 貴様ら!? は、離せ!? 揺らすな!? ・・・・・・・・放り投げるな!?」

 まるで胴上げのように持ち上げられる晴胤は、こみ上げる気持ち悪さの中で見た。
 戦場の混乱を他所に沈黙する龍鷹軍団本陣。
 圧倒的優位と思っていた自軍のまさかの敗戦と共にこの光景を記憶に刻み込む。

「ぐわ!?」
「「「あ・・・・」」」

 緑川に入った瞬間、士分たちが川底に足を取られて晴胤を落とした。

「ぷはっ!? 貴様ら、我を何だと思っている!?」
「総大将、です、ぜッ」
「ぬおっ!?」

 再び水の中から引き揚げられ、肩に担がれる。

「晴興か・・・・ッ」
「ここは逃げるに限りますぜ。秩序だった撤退なんざもう無理だ」

 一部隊をまとめていた晴興がここにいる理由を察した晴胤は大人しくした。
 最前線の小瀬勢が攻撃によって瓦解。
 本人は晴胤の生存を最優先に離脱し、こうしてやってきたのだろう。

「出雲崩れのようにはさせんぞ」
「当然。熊本には加賀美のおっさんがいる」

 全面崩壊に至った出雲遠征と違い、熊本城には万を数える軍勢がいる。
 まだ再起できる。
 そう思い、虎熊軍団は総撤退に移った。






 鵬雲五年四月二八日、肥後国中部を流れる浜戸川。
 この緑川水系に属する川を挟んで向かい合った龍鷹軍団と虎熊軍団の激突は、野戦決戦にしては遅すぎる申一つ刻(午後3時30分)頃に始まった。
 後に「浜戸川の戦い」と呼ばれるこの戦いは、両軍合わせて五万八〇〇〇が展開した近年稀にみる大規模な戦闘である。
 この戦の半月前の四月十三日に日向国高城川で発生した高城川の戦いも総勢四万六〇〇〇を数えた。
 それを上回る軍勢が激突した浜戸川の戦いも双方に甚大な損害が出ている。
 だが、それは高城川の戦いと同じく、龍鷹軍団と戦った相手側が圧倒的に大きかった。


 虎熊軍団が翌朝に再編した折に掌握していた兵力は、一万五〇〇〇だった。
 もちろん、欠けた一万六〇〇〇が全て討ち死にしたわけではなく、近くを彷徨っているか捕虜になって生存している者もいる。
 彷徨っている者たちは収容できる可能性はあるが、捕虜については喪われたと考えるしかない。
 最大損耗率は約五割となり、壊滅的損害を受けていた。
 主だった武将の討死は国松貞鑑(正しくは生死不明)だけなので、銀杏軍団が高城川で喫した破滅的敗北からすればマシだ。
 しかし、装備品の多くを喪失したことは変わらず、戦闘能力を著しく減衰させていた。
 これを受け、晴胤は熊本城攻囲部隊との合流を決断。
 落伍兵の捜索のために一部を派遣し、主力を率いて北上した。


 一方、龍鷹軍団も無傷ではすまなかった。
 当初こそ有利に戦いを進めたが、ほぼ全行程に渡って総攻撃を維持したために損害も大きい。
 龍鷹軍団二万四〇〇〇中死傷者四〇〇〇、聖炎軍団三〇〇〇中死傷者三〇〇と、約16%を喪った。
 日没後の無理攻めにおける装備品喪失も大きく、虎熊軍団を追撃するほどの余力は残っていない。
 小部隊を緑川北岸に繰り出し、落ち武者狩りを行うのが精いっぱいだった。
 翌朝になって意識を取り戻した忠流は緩やかな前進を命じる。
 聖炎軍団を先頭に北上、ゆっくりと熊本城へと向かった。



 こうして、両軍が熊本城近郊で再び顔を合わせたのは、浜戸川の戦いから三日経った五月一日のことだった。





「―――まあ、そこにいるよな」

 忠流は翻る<朱地に黄の豺羆>を見て呟いた。
 鵬雲五年五月二日、熊本城南方の白川南岸に龍鷹軍団主力部隊は布陣する。
 別動隊として鹿屋利孝率いる三四〇〇が金峰山系南方の上代に展開した。
 この地点は白川北岸だが、金峰山系との間に坪井川が流れており、鹿屋勢はこれを防波堤にしている。そして、本陣はかつて上代城が築かれ、今現在は高橋稲荷神社が鎮座する丘陵に置いていた。
 熊本城の攻囲は虎熊軍団本隊が攻囲部隊と合流した時に解かれている。
 このため、龍鷹軍団と共に行動した名島勢は熊本城に入り、聖炎軍団本隊と合流していた。

「予想していたの?」

 忠流が呟いた言葉を拾った紗姫が忠流の顔を覗き込むようにして聞く。

「まあな」

 忠流は頭の後ろに両掌を当てて視線を上へと向けた。
 そこに翻る朱い旗を視界に収め、紗姫に説明する。

「金峰山ってのは、熊本城攻めには絶対に確保しなければならない要地なんだよ、特に北から攻める場合は」

 包囲を解いた虎熊軍団が展開するのは熊本城西方に位置する金峰山系。
 加勢川の戦い後に親晴勢が一時期立て籠もった場所でもある。
 最高点が665mと高く、熊本平野だけでなく、有明海や天草諸島まで視界に収めることができた。
 周辺諸国の監視地点として有用である。
 また、北には玉名城が控え、熊本城からこの玉名、山鹿地方へ抜ける街道を扼する位置にあった。
 ここを確保しなければ北方から攻める軍勢の背後が脅かされるのである。

「だから、まずはこの地点を確保する。熊本平野から追い出された場合、最後の最後まで確保し、撤退するか再侵攻するかを決める」
「ということはまだ虎熊軍団は熊本城攻略を諦めていないと?」
「そういうこと」

 見上げていて首が疲れた忠流は、首を左右に倒しながらほぐす。

「んっしょ」

 それを見た紗姫がとんとんと肩を叩いてくれた。

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 二度三度叩いて、紗姫の手が止まる。
 それと同時にふたりも黙った。
 紗姫の握り拳は忠流の肩当てに当たっており、その打撃は分散されている。
 つまり、鎧を着ている忠流に肩叩きは何の意味もなかった。

「―――ププッ」

 敢えて沈黙を守った忠流と近衛を無視し、昶が噴き出した。

「な、なあ!? 笑うことないのに!?」

 一瞬で顔を赤く染め上げた紗姫が握り拳そのままに昶へ襲い掛かる。

「ほっほ、真っ赤になってかわいらしいのぉ」
「このッ。よく片目で避けるッ」
「右目の死角から攻撃するとは、意外とえげつないの!?」

 徒手空拳の他にもバチバチと霊力がぶつかり、割と洒落にならない喧嘩に発展した。

「さあて、どうしようか」
「確認するまでもないですが、後ろの喧嘩じゃなくて前の敵軍のことですよね?」
「当然」

 幸盛に頷き、ふたり揃って金峰山系に布陣した虎熊軍団を見遣る。

「・・・・布陣しているのは山系の南方から西方にかけて、山頂付近には一部しかいないようです」
「基本的には北方街道の維持、だろうな」
「あれだけの兵を持っているのに、ですか?」

 幸盛が目を見張って驚いた。
 熊本城攻防戦、砂川の戦い、浜戸川の戦いですり減ったとはいえ、虎熊軍団は未だ約三万人もいる。
 龍鷹軍団約二万、聖炎軍団約七〇〇〇の合計よりも多い。
 熊本城の包囲を続けるほどではないが、守勢に回るほど劣勢でもなかった。

「兵力は脅威だけど、中身がボロボロだよ」

 浜戸川の戦いで失った武器弾薬、兵糧は多い。
 龍鷹軍団が接収しただけでも、刀槍七〇〇〇本、鉄砲五〇〇、弓一〇〇〇張、弾薬十五万発分、矢百万本だ。
 単純に考えて、八五〇〇人分の武器弾薬である。
 これにより龍鷹軍団は浜戸川で失った戦略物資の一部を回復させていた。

「おまけにあちらさんには回復させる当てがないときた」

 忠流が西の方を見遣る。
 彼らの視点からは見えないが、百貫港――坪井川河口港――に龍鷹海軍が上陸していた。
 すでに有明海南部の制海権は龍鷹海軍が握っており、虎熊水軍による大規模輸送船団は近づけない。

「十中八九、近いうちに講和を持ちかけてくる」
「なら、いいですね」

 熊本城攻防戦、宇土城攻防戦、砂川の戦い、高城攻防戦、高城川・耳川の戦い、八代城攻防戦、阿久根沖海戦、甑島沖海戦、浜戸川の戦い。
 後に"日肥の乱"と呼ばれるこの戦役に生じた主な戦闘は上の九個。
 これらはわずかひと月の間で起きた。
 両軍が如何に死力を尽くして戦ったかが分かる。
 結果だけ見れば、全戦線の決戦で勝利した龍鷹軍団の勝利である。
 銀杏軍団、虎熊水軍は壊滅し、虎熊軍団主力部隊は半減した。

(まだ戦うとか言わないでくれよ)

 これは龍鷹軍団と聖炎軍団に共通した想いだ。
 勝ちはしているが、両軍とも限界が近い。
 このまま消耗戦となれば、先に力尽きるのはこちらなのだ。

「セアァァァッ!!!」
「ふぬぅぅぅっ!!!」

 黄金色と紫色の光が背後で激突した。
 それだけでなく、爆風が周囲に吹き荒れ、忠流たちを押し倒す。
 特に忠流は転倒した際に太刀の柄頭がみぞおちに突き刺さるという二次災害を食らった。

「・・・・ッ、~~~~~~ッ!!!!!」

 腹を押さえて悲鳴を上げられずに悶絶する。
 幸盛からものすごくかわいそうな者を見る目で見られたが、忠流はそれを無視して涙目で背後を睨んだ。

「おや、かわいらしい」
「本当に。小憎らしいくらい」

 眸をうるうるさせ、頬も紅潮した忠流は、少年から青年に移行する年代であってもかわいらしい。
 その感想を下手人ふたりは悪びれずに口にしたのだ。
 当然、忠流はブチ切れた。

「こぉんのぉッ!!!」

 痛みをこらえ、手を振り上げて襲い掛かる。
 非難の声が聞こえるが、無視である。
 一度、立場というものを教え込まねばならない。



「―――えーっと・・・・」

 痴話喧嘩を始めた三人を見ながら幸盛はこめかみを抑えた。
 気のせいではない頭痛に襲われたからである。
 理由はこの喧嘩と周りの視線だ。

「・・・・どうします?」

 周囲の大人たちからの圧力を感じたのか、彼らの言葉を代弁する忠猛。
 その姿に己の影を幻視した幸盛は首を振ってその幻想を振り払った。そして、周囲を見回して言う。

「とにもかくにも聖炎国王との対談です。今後の方針を決めなければ」
「では、熊本城へ使者を立てることとします」

 忠猛が動き出し、それに応じて大人たちも動き出した。
 いつの間にか取っ組み合いに発展した痴話喧嘩を誰もが見て見ぬふりしている。そして、途中から劣勢になった忠流の助けを求める声を無視して動き出した。
 体力が尽きて昏倒した忠流が熊本城に運び込まれたのはその日の夕方。
 そして、意識が回復したのは翌朝である。

 その時―――




―――金峰山系に、虎熊軍団の姿はなかった。










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