前哨戦「若き鷹の飛躍」/四



「―――殿、出陣準備整いました」

 肥前国森岳城。
 燬峰王国の本城であり、有明海を臨み、雲仙岳の麓に位置する。
 縄張りは筑前福岡城、肥後隈本城、薩摩鹿児島城と比べるまでもない。

「いよいよだな・・・・」

 燬峰王国国王兼四面宮の宮司を務める燬羅尊純は有明海を見下ろしながら呟く。

「ほんにこの二年、長かったですね」

 独り言に応じたのは、彼の側近である時任尊次だ。

「先代を失い、がむしゃらにかけ続けたこの二年も、もう終わります」

 竜造寺の変にて当主を失い、一年に及ぶ激戦に耐え切った燬峰王国は、間違いなく肥前衆を圧倒している。
 消耗戦に厭いた結果、行われた講和会議の崩壊にて打撃を被ったのは、むしろ肥前衆の方だったのだ。
 難攻不落である諫早城にて肥前衆数千を迎え撃ち、これを撃破した戦いが分岐点となった。
 北岸に敵軍を臨み、籠城戦を続けていた城方に対し、後詰軍は五島列島を制圧後、その水軍を使って大村湾に上陸。その後、諫早神社に本陣を据え、早朝に川を渡って肥前衆に奇襲攻撃を仕掛けた。
 潰走する中、退路が断たれて混乱の最中にあった大村城勢は壊滅し、その当主を生け捕りにした。
 戦後、大村城主を説得し、大村を燬峰王国の版図に加えることに成功した。
 このため、燬峰王国は竜造寺の変以前より、五島列島、大村を加えたために戦力が充実したのだ。
 さらに佐敷川の戦いに参戦し、天草諸島を領有。
 龍鷹侯国から武器弾薬を購入することで装備を一新した燬峰軍団の矛先は、肥前衆の頭目である武雄に向いていた。
 燬峰軍団は総力を挙げて武雄に侵攻、これまで続いた戦争を終わらせることにしたのだ。
 動員された戦力は五島、大村を加えて六〇〇〇。
 これは燬峰軍団通常動員力に匹敵する数であり、後々に響かぬ程度ではあるが、戦力を総動員した数だ。
 対する武雄勢の戦力は二〇〇〇~三〇〇〇と考えられる。
 因みに肥前衆は主に武雄、白石を支配する小泉氏、松浦半島を支配する安部氏が主導しており、他に鹿島、伊万里、唐津、小城などもこれに加わっていた。
 また、佐世保もその一員だったが、燬峰王国が西彼杵半島を制圧した時からよしみを通じており、中立状態となっている。

「松浦がどれだけの戦力を振り分けるか、だな」

 松浦勢も先の戦いで多くの足軽を失っている。
 後方策源地であった鹿島、大村の内、近いのは大村だ。しかし、それが使えなかった以上、鹿島まで下がるしかない。そして、その距離は意外と長く、はぐれた足軽が辿り着くことはまず不可能だった。
 このため、肥前衆は戦力の二割近い兵を失って退却したのである。

「一〇〇〇を下ることはないでしょうが、二〇〇〇を超えることはないでしょう」

 今回、五島列島の水軍も動員するため、安部氏としては本国の防衛も気にかけねばならない。
 となれば、出陣できるのは一〇〇〇強とし、他の豪族は多くて五〇〇となれば、敵の総戦力多く見積もっても六〇〇〇だ。
 燬峰軍団とほぼ同数であり、守勢から攻勢に回ったとは言え、楽観できるものではなかった。
 故に、彼らを呼んだのだ。

「大いに利用させてもらおうか・・・・」

 時任との会話を終わらせ、馬出にて乗馬した尊純はニヤリと笑う。

「開門!」

 次の瞬間、大音声で命じられたとおり、森岳城の門扉がゆっくりと開き出した。






鷹郷従流side

「―――もうすぐ、港に着きますよ」

 鵬雲三年三月七日、肥前国南方沿岸。

「あれが雲仙岳、ですか・・・・」

 その海域を北上しているのは龍鷹海軍とその輸送艦に便乗した陸軍だった。
 海軍は訓練を目的に、数日前に就役した「霧島」を含む安宅船艦隊、関船艦隊を天草諸島に展開している。
 しかし、この輸送船団はその訓練に関係なかった。

「相川殿、吉井殿、真砂殿、兵の状態はどうですか?」
「連れてきた兵は海上輸送経験を持つ者たちです。おそらく、上陸後に戦うことはできます」

 吉井と呼ばれた武将が応じ、今回の総大将・鷹郷従流は小さく頷いた。

「こういう辺り、旗本衆は便利ですね」

 従流はややふらつく体を踏ん張り、目の前に居並ぶ部将たちに命令する。

「上陸後、諫早を目指して北上します! 今日中に諫早城に入城し、今後のことを相談します」

 従流は傍らに立つ少女に向き直った。

「道案内、よろしくお願いします」
「ええ、この辺りは私の庭よ」

 もはや演技を止めた結羽は錫杖を鳴らし、今は沈黙している雲仙岳を見上げる。

(もうすぐ二年が経ちますね、父上)

 鵬雲三年三月七日、鷹郷従流率いる三〇〇〇の龍鷹軍団が肥前入りし、燬峰軍団と合流した。



「―――兄上、正気ですか?」

 五日前、従流の謹慎先を訪ねた忠流に、従流はこめかみを押さえながら言った。

「兄に向かって正気を疑うとか、鬼畜になったなぁ・・・・」

 喧嘩したことを全く気にしない忠流に、従流は少し安心しつつも続ける。

「疑いたくもなります」

 従流は貰った書状に目を通した後、忠流の呑気な眸を見つめた。

「僕も聖炎国が虎熊宗国と軍事同盟を締結したことは伝わっています」

 すでに熊将が率いる軍勢が聖炎国に向けて移動しているという噂もある。だが、その戦力を以て攻勢に出るわけではないらしい。
 それは龍鷹侯国が前線に送れる戦力が拮抗しているためだ。

「その拮抗を崩し、燬峰王国に援軍を送るなど、どうして考えられるのですか?」

 従流は怒るよりも呆れていた。
 この兄は従流がどうして、あそこで怒ったのかさっぱり分かっていないのだ。

「そこまでして隙を作り、敵主力軍を誘引したいのですか?」

 龍鷹軍団が数千規模で肥前に向かえば、聖炎軍団の正面に展開する戦力は激減する。
 だから、聖炎・虎熊連合軍が佐敷城に押し寄せる可能性があった。

「ああ、違う違う、まあ、来るなら来るで戦力を投入するんだけど・・・・相手は動かんよ」
「兄上・・・・」
「お前は言ったな? 俺が難敵は倒してくれる、と」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・裏、ですか」

 従流は忠流の真意を悟った。

「"竜造寺の変"を調べてこい。俺はお前を清廉な者として関わらせるつもりはなかったんだが・・・・」
「―――現状において、龍鷹侯国で最も裏に通用する戦力はあなたよ」

 忠流の後ろから歩いてきたのは結羽だ。
 忠流が結羽に見えないようにげっそりしているのは、すでにその洗礼を受けているからだろう。

「ついでに、燬峰王国の上に乗った蓋を退けてこい」



「―――国王が御到着されました!」

 従流は、広間を駆け抜けた声に我に返った。
 すでに龍鷹軍団は諫早城に辿り着いており、燬峰軍団主力五〇〇〇と合流していた。しかし、森岳城からやってくる本隊一〇〇〇を待つため、重臣たちが一堂に会したまま半刻ほど固まっていたのである。

「では、行くわ」

 それまで従流の隣に座っていた結羽が立ち上がり、燬峰王国側に移動した。
 彼女は従流に重臣たちの紹介をするために残っていたのであり、この軍議においては当然向こう側である。

「相川殿、頼みます」
「・・・・任されました」

 応えたのは援軍の実質的総大将の座にある相川舜秀だ。
 他に側近である後藤公康、鉄砲大将・真砂刻家、護衛大将・吉井忠之と言った部将が従流に従っている。
 後藤公康はともかく、他の三人は内乱にて人生を狂わされたものたちだ。
 相川の父親は貞流方の重鎮・相川貞秀だった。
 相川家は内乱の罪は当主・貞秀の自害によって取り潰しは免れる。そして、減封されて一万六〇〇〇石ほどになってしまったが、大名として存続していた。
 父に似て、歩兵戦術に優れた部将であり、今回の援軍主力を率いる役割を抜擢される。
 真砂刻家は武藤家教の嫡男だったが、父の戦死で叔父・統教が嫡流を継いだために主家を辞し、祖父・晴教の下に身を寄せる。
 その後、忠流の計らいで、断絶していた名跡・真砂家を継がせたのだ。
 武藤家らしく、鉄砲戦術に率いており、今回は鉄砲隊を指揮する。
 吉井忠之は吉井直之の弟であり、飫肥城攻防戦で戦傷したために岩剣城攻防戦にて玉砕することはなかった。
 譜代の多数を失い、傭兵を家臣化して新生吉井家を興す。
 豊富な実戦指揮官で従流本隊を率いるために今回は出陣した。

「今回の戦、目的は武雄城の攻略です」

 軍議の司会を買って出たのは、時槻である。
 燬峰軍団の軍師である彼は、座の中央に置かれた地図を指示棒で指し示した。

「問題はどう戦力を分断するかです」

 武雄城を攻略するには有明海を東に臨み、鹿島を経る道と、大村から虚空蔵山東方を突破する道と、二通りある。
 また、大村から鹿島に至る道もあるため、燬峰軍団の一部は大村城に集結するよう指示が出されていた。
 この全てに手当を置かなければ、逆に包囲戦術に出かねない。

「基本行軍は分進合撃になります」

 時槻は三つの進路を描いた。

「龍鷹軍団三〇〇〇を加えますと、当方の戦力は約九〇〇〇です。しかし、鹿島進路だけは途中に鹿島城が立ちはだかっています」

 鹿島城は正確に言えば武雄領ではない。しかし、現在の当主が武雄小泉氏から婿入りしているので、実質的に武雄領と言っても過言ではない。
 なので、しっかり抑えておかなければ、敵として立ちはだかる可能性が高かった。

「このため、まずは主力を以て叩き潰します」

 大村から武雄を目指す部隊もいる。
 武雄はこのため、いくつかの手当をしなければならず、鹿島での積極的な防衛は行わないと判断された。
 それに、肥前衆が集結するまでには時間がかかる。

「行軍序列はいつものように?」
「ああ」
「「「「「はっ」」」」」

 時槻が尊純に問うと、彼は短く頷いた。
 それに燬峰軍団を支える、勇将・闘将・猛将が応える。そして、勢いよく立ち上がった。

「待ってください」
「「「「「?」」」」」

 機先を制された諸将が怪訝な顔をする中、従流は相川に代わって発言する。

「もうひとつ、侵攻路がありますよ」

 この時、従流は気が付かなかったが、彼の浮かべる笑みは忠流が浮かべる笑みと全く同じだった。


 燬峰・龍鷹連合軍九〇〇〇は三本ある侵攻線に対し、一本を捨てることに決した。
 連合軍は三月九日に大村城へと到着、その後、燬峰軍団五〇〇〇と龍鷹軍団"一〇〇〇"は鹿島領へと侵攻を開始する。
 別働隊の燬峰軍団一〇〇〇は武雄領へと侵攻を開始した。
 迎え撃つ武雄・鹿島連合軍は武雄勢三〇〇〇、鹿島勢一〇〇〇にて迎撃作戦を展開する。
 鹿島勢は武雄勢などに増援要請をすると共に籠城戦の準備に入った。
 敵に時間を与えて、良いことはない。
 故に、連合軍は一気に国境を踏み越え、鹿島城向けて進撃を続ける。しかし、その軍勢の中に、鷹郷従流と燬羅結羽の姿はなかった。


「ここが、竜造寺・・・・」

 三月十四日、ちょうど"竜造寺の変"から二年経ったこの日、鷹郷従流率いる調査団が足を踏み入れていた。

「未だ再建されていないのですね」
「の、ようね」

 彼の隣にいるのは結羽だ。
 彼らを護るのはほんの僅かな供回りだけである。
 この辺りは本来、小泉氏の兵が展開しているはずだった。しかし、燬峰王国の進撃に対し、武雄勢――小泉勢は戦力を集中させているのだろう。

「しかし、指揮はよかったの?」
「僕より適任者ですよ」

 従流は忠流のように抜け出したのではなく、相川たちを説得して出てきたのだ。

「相川殿はかつて、龍鷹軍団の一翼を担った相川貞秀殿の三男です」
「知っているわ」
「吉井殿、真砂殿も立派な実戦指揮官です」
「でしょうね」
「そこに僕はいらないでしょう?」
「・・・・困った兄弟ね」

 やれやれと結羽は首を振る。

「・・・・これは・・・・・・・・」

 実際に境内に踏み込めば、その異常は明らかだった。
 焼け落ちたと考えられる範囲は草木の一本も生えていない。そして、その外では、なんの異常もなく草木が生い茂っている。
 まさに森の中にポカンと空白がある状態だった。

「なるほど」
「何か分かったの?」

 周囲を見回しただけで従流はひとつの可能性に思い至っている。

「竜造寺を中心に四方に壁を作った。故に壁の外には何の異常も感知できなかった」

 これは佐敷川の戦いにおいて、佐敷川にて起きた異常と同じ範囲設定だった。

「これは仏教用語で『結界』と言います。・・・・見てください」
「?」

 焼け跡の四隅に位置する場所に従流は膝をつく。
 そこには崩壊した石塔があった。しかし、よく見れば、それには焼けた後がない。

「この石塔が結界の要となり、【力】を有する内は外界に対して異常がないように見せていた。そして、耐久力がなくなった時点で石塔が崩壊、事件が明るみに出た」
「でも、でも、それじゃ・・・・」

 神道や山岳信仰で言う聖域に通じる結界の理論を、一目で見破った従流に戦慄しながら従流に問うた。

「遺体がひとつも残らなかったなど、ありえないでしょ?」
「それは・・・・」
「遺体が残らぬほどの劫火ならば、建物も・・・・」

 結羽が指し示したのは焼け焦げ、崩落した木々だ。

「ここにないのは遺体だけでなく、草木一本残っていない。つまり・・・・」

 従流は立ち上がる。

「生きとし生けるもの、その全てが消失しただけのことです」

 大地に根を伸ばした植物は生きている。しかし、人の手によって刈り取られ、建物化した樹木は生きてはない。
 故に失われることなく、そこに残った。

「結界の中で起きたのは、かつて霜草久兵衛が使った香などの神経系でもなく、『鈴の音』が使った一定以下の霊力を保有する兵を操るものでもない、もうひとつの異能が関わっている」
「それは?」

 従流は結羽が持つ錫杖を見遣り、自分の数珠を見る。
 それだけで結羽には伝わった。

「霊装・・・・」
「そう、『鈴の音』の持つ鈴も霊装でしょうけど、霊装の効果は普通ひとつ。故に・・・・」
「『鈴の音』がふたつの霊装を持つか、仲間がいるか、全く別物か、ということね」
「そういうこと。つまり、何も分からないということですけどね」

 従流は肩をすくめる。

「充分。敵の霊装の特徴が分かっただけでもめっけもの」

 "竜造寺の変"を引き起こした者が持つ霊装は「生きているものを灼き尽くす」効果を持つ。
 形状や効果範囲は分からないが、おそらくは範囲攻撃。

「しかし、侯王は何故あなたをこの部門から遠ざけようと考えたのかしら」

 どう考えても適任である。

「僕の生存確率を上げるためですよ」

 裏に近付き、真相に近付けばそれだけ裏に攻撃される可能性が高まる。
 それから守るためにあったのだろう。だがしかし、従流はそもそも対裏用に教育された過去を持つ。
 龍鷹侯国は外国からの霊的攻撃に対しても防御力を維持するために宗教部門が設立されている。
 それが有名な霧島神宮であるが、鷹郷家はもうひとつ、地味な部門を作っていた。

「詳しい解析は霧島の調査団か寺の調査団を送り込めば分かるでしょうけどね・・・・」

 鷹聚寺。
 鷹郷家の菩提寺であり、対霊的攻撃に対する戦闘員を養成する仏教勢力の総本山だ。
 従流はそこの住職になるはずであり、当然、そのための知識は叩き込まれていた。

「本来求められた役割と、侯国での役割が相反するために僕は燻っていたのかもしれませんね」

 従流は持っていた水筒の水を焼け跡に振りまく。そして、右手を掲げ、僧の時代に覚えたお経を唱え始めた。

 ここで消えていった死者のために捧げられる読経に結羽は胸を抑える。
 亡くなったのは龍鷹侯国に対し、何の関係のない者たちだ。しかし、彼らは二年前の今日、ここで亡くなった。
 各国の重鎮である以上、本来ならば大々的な法事が行われていただろう。

(戦争・・・・)

 彼らを悼むために勃発した戦争は、そんな記念日であっても続けられている。
 だから、ここに弔える者はいなかった。

(神道じゃないけど・・・・)

 結羽は目を閉じ、わずかに頭を下げる。
 それを見て、燬峰、龍鷹双方の護衛たちも結羽に倣った。



 鷹郷橘次郎従流。
 鷹郷権少納言朝流の四男として生まれ、一族繁栄のために鷹聚寺にて出家。
 鷹聚寺僧兵隊の総指揮を執るための英才教育を受け、妖怪退治などの指揮を執る。
 父の死後勃発した内乱でも、裏の抑止力を必要とした貞流の考えのため、鷹聚寺にて軟禁された。しかし、内乱は忠流(当時、藤丸)の勝利に終わり、一門衆強化のために還俗を命じられる。
 裏の役割を他に任せ、従流は忠流の代わりに軍勢の指揮を執り、佐敷川の戦いにおいて本隊の総大将を任される。そして、佐敷川の戦いにおいて異常事態において冷静に事を見切り、裏の事情と表の戦争を噛み砕いた結果、総攻撃を命じて聖炎軍団を撃破した。
 忠流亡き国を治めるため、龍鷹軍団の存続を欲した従流は独断専行にて人吉城を攻略するも忠流との考えの違いによって謹慎処分となる。
 忠流が従流に求めたのは血筋と清廉潔白な人柄、そして、それを保障するものだ。
 いずれ死ぬ自分が全ての汚れ役を持って行くために、実権があるように見えない立場を求めたのだ。しかし、忠流は従流と従流を主と認める対霊的部門を遠ざけたため、その弱みを突かれたことで考えを改める。
 霧島騎士団を代わりに抱えていたのだが、霧島騎士団は二ノ丸に展開しており、不十分だと考えたため、鷹聚寺僧兵隊の投入を決定する。
 その総大将は当然、従流が務める。
 つまり、従流は表の軍勢と裏の軍勢双方の司令官となったのだ。
 故に後にこの異名を得ることとなる。

―――"僧将"・鷹郷入道従流、と。










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