第二章「生きる伝説と狂神」/ 4


 

 精霊。
 精霊術で言う6つの精霊―――<火>・<水>・<風>・<雷>・<土>・<森>は自我や決まった形のない微小な粒――エネルギー塊と考えられている。
 制御や精霊の有無=呼び声には"気"をある程度全身に巡らせ、臨戦状態にあるのが絶対条件である。
 精霊術はその精霊を"気"を用いて使い、その精霊の力をこの世に引き出すものだ。
 故に精霊術行使は"気"の量が従える精霊量に直結してしまう。よって"気"は感情に大きく影響を受けるので感情の発露="気"の猛りは精霊術の強弱に関係する。
 術内には精霊とその名そのものが混ざり合っている。
 <火>と熱・光エネルギー。
 <水>と水分子。
 <風>と大気。
 <雷>と電子。
 <土>と大地。
 <森>は例外。

 自然を操る。
 それが精霊術の極意である。







熾条一哉

―――カタンカタン コトンコトン カタンカタン

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 翌日。
 一哉は電車に揺られていた。
 昨日の夜に渡辺邸の在処を確認している。
 悔しいながらも木棺から出てきた文書の中に詳しい地図が載っていた。
 その地図には家の見取り図も載っていた。
 さすが瀞の実家は<水>を司ることだけはある。
 日本の水瓶と有名な琵琶湖の湖岸に屋敷を構える地元では有名の名士の家らしい。

「―――えへへ♪」

 それにしても、この前の席で足をぶらぶらさせながらニコニコしている女の子は何なのだろうか。
 あれから目覚めることがなかったので、瀞のベッドに寝かせていた。しかし、一哉が目覚めるといつの間にか少女は一哉の腕を抱き締めるようにして隣で眠っていたのだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 改めて、一哉は付きまとってくる少女を観察した。
 赤と黄色系統の派手な色彩をふんだんに使った生地の着物を着ている。しかし、それはやや特殊なもので黄色の帯は結び目が大きく、アクセサリーのような感じがした。裾も丈が短く、膝程までしかない。
 緋色の髪は肩にかかるくらいで一部を横くくり――横ポニーと言うらしい――にしていた。
 ニコニコしているため、細くなって見えにくい瞳はその虹彩に緋色が混ざっているように思える。
 全体的にこれほど「赤系統」を主張する者がいるだろうか、という鮮やかな美少女――いや、幼女か――だった。
 そんな彼女に対する一哉の行動は―――

(無視するに限る)

 簡単だった。
 これから闘争に行くというのに余計なことで時間をつぶせない。いや、それ以上に考えなければならないことがあるのだ。
 よって、一哉はごく自然に彼女の存在を意識外に持って行く。

「―――ねえ、いちや」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ねえってば」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「むぅ」

 少女は不満そうに頬を膨らませると「すぅ〜」と息を吸い込んだ。

「―――っ!? ま、まさか―――」
「いちやってばぁっ!!!!」

 少女の声が車両全体に響き渡る。
 平日とはいえ乗客が皆無でないため、乗客はみんな目を丸くして少女と一哉を見比べた。

「ぅげ・・・・」

 思わず顔を顰めた時、電車は駅へと滑り込む。するとそれを機に乗客たちは降車の準備などに移っていった。

「ほら、着いたよっ。早く下りないと乗り過ごしちゃうっ」

 ぴょんと座席から飛び降り、そのままドアへと小走りで走っていく。

「あ、ああ」

 確かに下車駅だった。
 とりあえず、一哉は荷物をまとめてホームへと飛び出す。

「やっと会えたね、いちやっ」

 少女はホームで一哉を待っていたようだ。満面の笑顔で本当にうれしそうな仕草。

「え、と。お前―――」

―――ギュッ

「おわ?」

 少女は突然、一哉に詰め寄ってその背に手を回す。そして、ギュゥ、と抱きついてきた。

「やっと見つけた。・・・・あかねの、御主人様っ」
「はぁッ!?」

 大声を上げる一哉。そして、ズザッと一哉の周りから引く人。
 双方の視線はわずかに涙を浮かべた少女に向かい、さらに一哉以外の視線が彼への非難の視線に変わった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え、と・・・・何がどうなってるんだ?」

 見知らぬ少女に一哉はたじろぎ、狼狽えるしかない。

(こ、これは新手の精神攻撃か!?)

 冷静な一哉の思考も慌てるほど少女はいつの間にか一哉の心の側にいた。

「―――それで、お前、何だ?」

 一哉は改めて口を開き、気になっていた言葉を少女にぶつける。
 あれから一哉はとりあえず、駅から離れた。
 その間、ずっと腕にまとわりつき、道中ずっとご機嫌な少女を見下ろしながら言う。

「んぅ?」

 一哉が足を止めたのは琵琶湖に流れ込む川の河川敷。
 少女は一哉の問いに顔を上げ、緩んだ表情を喜色満面にして答えた。

「えーっとねっ、名前はアカネっ」

 微妙にズレた答えだが、良しとする。

「茜?」
「ううん、緋色の『緋』でアカネと読むっ」

 つまりは緋――アカネ――ということらしい。
 名前までも見事に赤系統だった。
 緋はテテテと河原――暑いので誰もいなかった――の水際まで走っていく。

「で、何者だ? どうして俺を知ってる?」

 一哉もゆっくりその後に続きながら言った。

「質問ばっかだね」

 くるりと振り返り、微笑んで頷く。

「仕方ないだろ」
「う〜、・・・・うんっ。百聞は一見に如かずってねっ」

 ブワッ、と何かが体を駆け抜けて周囲の空気が変わった。
 それと同じく少女の気配も変わる。
 赤い瞳が燃え上がるように色濃くなり、髪がまるで下から風を受けたかのように波打っていた。

「―――っ!?」
「結界ぃ〜。っんでもってぇッ」
「い゙ッ?」

 少女が振りかぶった腕に巻き付く緋色の炎。

(ほ、炎!? 精霊術の炎術か―――ってちょっと待てェ―――ッ!?)

 振り下ろすと共に一哉向けて迸る炎。

「うおぁっ!?」

 咄嗟に横っ飛びで避ける。
 ゴロゴロと転がりながら一哉は炎の行方を見ると先程まであった葦の林に一本の道を作っていた。

(何だと!?)

 炎は燃え広がることなく、その線だけを綺麗に残している。
 まるで火ではなく、動物が突っ切ったような獣道だ。

「炎、術師・・・・か?」
「細かく言うと違うけど、それが一番近いよ。それと、いちやはあかねの御主人様♪」

 「あはは〜」と無意味にその場でくるくる回る緋。

「意味が分からん」
「ホントにぃ?」

 ズイッと一足跳びで懐に入り、覗き込んでくる緋。
 その瞳には期待と確信しか浮かんでいない。―――『絶対に思い出す』と。

(ん? 思い出す?)

 何故か自分はすでに彼女のことを初対面だとは思っていない。そして、攻撃されたというのに全くの敵愾心を抱かずにどこか遊びみたいな感覚になっていた。
 まるで"緋の攻撃で自分が傷つくことなどありえない"と分かっていたような。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ヒントです。あかねといちやが初めて会ったのはいちやが生まれた日ですっ」

 目の前に人差し指を突きつける緋。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ヒント2―――」

 人差し指に続き、中指も突き立てられ―――

【―――こんなこともできるのだよっ】

「―――っ!?」

 緋の口は動いていない。いや、今の声は空気を震わしていない。直接の脳内に響く声だった。

【あかねといちやは一心同体も夢じゃない。・・・・だって魂を占有してるんだもん、いちやが】

「は?」

 訳が分からない。

「まあ、あかねが何者かはこの際置いといて―――」
「おいおい」

 さらりと肉声に戻した緋はニシャ、と悪戯っぽく笑った。

「炎術、"思い出して"、もらうよ?」

 緋はすっと目を細めて緋色の炎を纏う。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 圧倒的な【力】の波動。
 大気を焦がして空気中のホコリを焼き尽くす。しかし、その他に影響しない。
 緻密な制御の下にそれはある。

「熱量操作は素人でも修得できる基本中の基本だよっ」

 そう。
 接する部分は燃えない程度に低く、内は火山の火口に匹敵する熱量を保有する。
 そんな矛盾した炎。

「でも、ね。いちやなら別にそんなことしなくてもいいんだ。この操作は無能が故に努力で修得するもの。本当の高位だったら、こんな努力必要ない。・・・・いちやには、まだまだ無理だろうけど、ね。ってわけで、今回は荒療治というわけで・・・・」

 緋の周囲に火球が数個完成する。

「とりあえず、炎術師の戦い方を学ぶナリィッ!」

 それを一切の躊躇なく解き放った。

「―――うおわッ!?」

―――ドォンッ!

「ふふん♪ 無意識に避けるなんてさっすが♪」
「いやちょっと待てぇッ。この惨状はどうやって揉み消す気だッ!?」

 ビシッと無惨にも焼滅した遊具を指差す一哉。

「結界があるから大丈夫♪」

 妙に自信満々の緋。
 一哉は会話で時間を稼ぐことにする。

「・・・・とりあえず、どうして壊れたところが直ったり、人が来なかったんだ?」

 しばし考えるそぶりを見せ、気になっていたことを口にした。
 それは4日間、ずっと考えていたことでもある。
 あの鵺との戦いでも、瀞は結界がどうとか言っていた。
 実際、戦いの影響は周囲のコンクリートの塀をぶち壊すほどのものだ。さらには鵺は咆哮を攻撃道具にしていた。
 さすがに誰かが何事か覗きに来るし、警察が見回りにでも来るだろう。

「あ、それが結界の効力だよ」
「結界と言えば、僧が修行する場所とかの境だよな?」
「・・・・えーっとその辺は分かんないや」

 一哉の微妙に博識なところについて行けず、緋はさらっと流すことにしたらしかった。

「う〜っと、すごい大雑把だけど結界は―――」

 結界。
 その定義は『外界と内界に隔つもの』だ。
 つまりは通常空間中に異空間を作り、その境を以て外界と内界に分けるもの。
 狭義ではその境を言い、広義ではその現象を引き起こす術法そのものを言う。

「それで、この結界の効果には―――」
「待った」
「え? な、なになに?」

 何の質問かと目を輝かせながら問い返してくる。

「全能力者が結界を使えるのか?」

 一哉の鋭い指摘。

「使えないよ。符術―――え、と・・・・呪符とか、分かる?」
「ああ。よく『悪霊退散』とか書いて貼るやつだろ」

 説明としてはおざなりだが、一応合っているから良しとした。

「うん。あれは文字の意味と純、筆跡が【力】を持つから―――」
「誰でも使える。故に符術は習得しやすく裏全体に普及している、ってか?」
「・・・・うん。そう。そうだよっ、いちや」

 一哉の理解力に大げさに驚いている。

「―――使い勝手の良さから普及しているか」

 納得した、とばかりに深く頷き、一哉は地を蹴った。
 "気"を全開にした突進で緋と距離を詰め、容赦無しの正拳突きを繰り出す。

「あは♪」

 だが、緋は舞うように身を逸らせ、攻撃を躱した。
 おまけにその身体を緋色の炎が渦巻くように包み込む。
 これでは攻撃できない。

「チィッ」

 接近戦を諦め、一哉は後ろに飛びつつ羽織っていた半袖の上着に手を差し込んだ。そして、着地した時にはその手に黒光りする鉄塊が握られている。

「人が来ないなら好都合」

 慣れた動作で少女に照準を合わし―――

「え?」

 ピタリと動きを止めた。―――止めてしまった。

「はぁっ」

 "上空"から可愛らしい気合が発せられる。
 落下を開始した火球は一哉を一瞬で押し包み、爆砕した。

「げはっ」

 水のすぐ側まで飛ばされた一哉は砂利が肌を傷付ける感覚で気絶から覚醒する。

「な・・・・え?」

 身体に異常はない。
 さすがに飛ばされたダメージはあるが、あれだけの威力を誇る炎を喰らっても無傷――というか生きているのが不思議だ。

「・・・・っ。どうなってるんだ? ってか、本当にアイツは何物だ?」

 先程、照準を合わせようとして視線を巡らせた時、緋は上空数メートルの位置に浮かんでいた。
 飛び上がっていたのではない。浮かんでいたのだ。

(化け物か、アイツは)

「失礼なっ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 心を読み取ったのだろう。
 少女は中空にありながら腰に両手を当てて全身で怒りを表していた。―――背後に燃え盛る炎はそんな可愛らしい仕草に不気味さを与えていたが。

(万事休す、か・・・・)

 いつの間にか炎は一哉の周囲を駆け巡り、完全に包囲している。
 炎の内側。
 それは約束された安全圏。
 そこから出れば地獄。しかし、緋の気まぐれによってここも容易に地獄と化すことは明白だった。

「知ってるかな? 精霊術には面白い意味もあるんだよっ」
「・・・・意味、だと?」
「<水>は洗い流すことからの『浄化』。<風>と<雷>は知らないけど、<土>は『絶対防御』で、<森>は慰めることから『鎮魂』。そして・・・・<火>は、『誓約』」
「誓、約?」
「炎上することによる『破壊』。焼き尽くすことによる『消滅』。この2つの後にあるのはどちらも『再生』。そんな因果律をかっこよく言ったものって教えてくれたよっ」

 破壊の後にはその復興が"約束"されている、ということなのだろう。

「だからっ」

 包囲する炎の勢いが増し、一哉の周囲に押し寄せた。だけれども、その炎には全くの熱もなく、地面はコゲもしない。

「いちやは小さい頃に炎術を封じられた。これはたぶん、いちやのパパ――ゲンちゃんの仕業だと思う。だって、ゲンちゃんは他者へ干渉する"誓約"の術式が使えるから」

(封じられた? というか、親父だと・・・・?)

 聞き捨てならない単語に一哉の眉が跳ね上がった。

「"気"は精霊術を使用する糧。たとえ、精霊の呼び声が聞こえなくても、"気"がある限りは精霊術師なんだよ」

 炎が消える。いや、全てが緋の振り上げた腕の指先に集まったように思える。

「楽に、して上げるね? "本当のいちや"を、取り戻させて上げる、このいちやの守護獣――あかねが」

 ふんわりと無邪気な笑みを見せた。しかし、その上にある煌々とした光が眩しすぎる。
 緋は微笑んだまま口元をわずかに震わせ、術式を起動した。

「―――あかねが、幼い日の誓約、炎術を封じた術式を―――焼き尽くして上げるッ!」

 緋は高々と宣言する。
 劫ッと大地を焦土と化せる炎が河原を走った。






結城晴也 side

「―――晴也」
「何だ、綾香?」

 2人は統世学園の一室にいた。

「熾条、【渡辺】に向かったんだって?」
「みたいだな」
「止めなくて良かったの? いくら【渡辺】が史上最弱まで落ち込んだとはいえ、炎術も使えない奴が1人でどうこうできるレベルじゃないでしょ?」
「今からじゃ、間に合わねえよ」

 晴也はパイプいすの背もたれに背を預け、頭の後ろに手を回す。

「まあ、それは・・・・そうだけど・・・・」

 分かっているが、やはり不安なのだった。
 何だかんだ言おうと一哉は友人だ。
 できることなら生存確率の低いことは止して貰いたかった。それに、その死がどこまで退魔界に波紋を生じさせるか分かったものではない。

「一哉はずっと外国に行ってたんだろ。ならあいつは【熾条】の本家にもいた時が少ないんだよなぁ」

 天井を見上げ、ポツリと呟く。

「まね。【熾条】は九州なのに近畿にいるって自体、おかしいものね。【熾条】は戦力を九州に集めてるから」
「ってことはあいつが行って、最悪殺されても【熾条】は文句言わないんじゃないかなぁ、と」
「・・・・・・・・あんた、熾条を本気で死にに行かせたの?」

 友人としてあまりの物言いに「信義」や「仁義」を重んじる綾香は眉をつり上げた。

「いやぁ・・・・渡辺さんもいるし、死ぬことはないんじゃない、かなぁ・・・・?」

 その視線に殺気を感じた晴也はしどろもどろになって言い訳する。
 もたれているのに、さらに下がろうとするので椅子がギシギシと軋みを上げていた。

「自信ないのッ!?」

 そんな晴也の制服のネクタイを容赦なく締め上げる。

「・・・・・・・・・・・っ・・・・・・・・・・・・・正直」

 息苦しさを覚える晴也に対し、綾香はさらに締め上げて言う。

「最悪ぅ」

 このように晴也と綾香は"雑談"に興じていた。
 2人とも、そう大事―― 一哉の死――に至るとは思っていないのだ。
 根拠は【渡辺】も今の状態で【熾条】と戦争をしたくないはず。
 また、それ以前に一哉がそう簡単死ぬはずがないから。

「―――で、俺は・・・・ど、してここ・・・・いるん、だ? ・・・・しかも、不正委、員の部室でお前と二人、っきりで・・・・っ」
「それは球技大会の自分を思い出してみることね♪」

 笑顔で握力を強める綾香。

「ぐぉっ・・・・・・・・・・・・お、俺には何の、ことか・・・・さっぱりッ」
「ええいッ。往生際が悪いッ、すでにネタは挙がってるのよ、キリキリ吐けッ!」
「のぉッ!? そ、・・・・その前に・・・・お、オチ・・・・るぅ・・・・」

 呑気にいつものやりとりをする2人はまさにその時、一哉は渡辺宗家に辿り着くどころか、道半ばで力尽きようとしていたとは夢にも思っていなかった。

「あ、ああ・・・・対岸で祖父ちゃんが手を―――」
「先々代はお元気でしょうがッ!」

 綾香はさらに締め上げる。

「じゃ、じゃあっ、親父が―――」
「ホントっぽいから止めてッ!」

―――自分で締め上げておいて無責任な綾香だった。











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