エピローグ
「いやぁ、助かった」 「感謝感謝」 忠顕とくろいろひろは未だ磔にあっていたが、処刑しようとしていた騎士は瀞によって浄化されている。 「それで? どうやったら俺たちは帰れるんだ?」 問うたのは藤丸だ。 その右手は超近距離戦を想定して脇差に伸ばされていた。 「あれー? 助かって、ない?」 「帰れるよ! たぶんだけど!」 くろの言葉に全員が一歩距離を詰める。 武装している者たちはそれをちらつかせた。 「「あ、あはは。・・・・どうしてこんなことに・・・・」」 『―――それは僕たちに【力】を与えたからだよ』 『『『―――っ!?』』』 ビクリと10人が体を震わせ、声の主を捜すために視線を彷徨わす。 『ああ、無駄無駄。そこの奴らが不必要なまでに強い【力】くれたから。僕はこの世界の神だから君たちには見えないよ』 『さて、端的に申しましょう』 いきなり声が女になった。 どうやら始めから『神』とやらはふたりいたようだ。 『あなた方の世界に帰るためにはそこの奴らを火炙りにかけた後、脇腹を串刺しにすればいいです』 『うん、まさに救世主』 「「ちょっ!?」」 『まあ、私たちにこんな【力】を与えた理由くらい訊いてあげてもいいと思いますけど』 その声に10人は視線で問うた。 因みに緋がまるで術を放つ前動作のように両手を突き出しており、一哉と盛武が左右に展開している。 もちろん、得物は刀。 「「す、Scarecrow二周年、バンザ〜イ!!!」」 管理人二名は磔のまま天に届けとばかりに叫びを上げる。 「月日は勝手に流れるもんね〜♪」 身も蓋もない幼子の意見と共にふたりは炎上した。 |