第五章「南の島、そして妖狐の孫」/3


 

「―――フンフン、近いな」

 女は目深にかぶった帽子を指先でつばを押し上げることで整えた。そして、開けた視界の中で周囲を見渡す。
 彼女の耳には不時着したF18Fに群がる米軍の騒音が聞こえているが、もう関係ないので無視した。

(ま、干渉してくるのならば押し返すのみ)

 世界最強とも言える戦力を持つ米軍を相手に絶対的な自信を滲ませた彼女は、とあるものを見つけて目を細める。
 目の前には仲良くジョギングする老夫婦がいたが、彼女が見ていたのは彼らではない。
 彼女の目に映っていたのは三八小銃を手に彷徨う日本兵だ。

「かわいそうに。故郷を遠く離れたこの島で逝き、未だ還ることのできぬ者たちよ」

 老夫婦に聞こえぬよう、口の中で呟かれた言葉。
 そこには拙い戦争指導で犠牲者を続出させた過去の政府に対する憤りが感じられた。
 それもそのはず。
 太平洋戦争において、彼女が知る男たちが数名、帰らぬ人となっているのだから。

(まだ、この島で逝ったものは幸せかもしれない・・・・)

 臨まぬ戦争だったかもしれないが、少なくとも兵士として召集された役目を果たしたのだから。
 あの戦争では兵士として召集されたのにも関わらず、彼らの戦場に辿り着く前に海の藻屑に消えた者は決して少なくはない。
 もっとも、このサイパン島で戦死した兵士たちは過酷な状況に置かれ、最終的には大本営に見捨てられ、その事実すら伝えられなかった。

「その憤り、私が解放する機会を与えてやろうぞ」

 そう言って、帽子から溢れた金髪を翻し、鼻をひくつかせながら歩き出す。
 その背後には彷徨っていた兵士たちが二列縦隊で続き出した。






南の島・続きscene


「―――ふぁあ・・・・」

 翌日、ビーチに出た直政は大きなあくびをした。
 バーベキューの後、花火をしたのだが、心優が持ち込んだ打ち上げ花火に驚いた警察や軍隊がやってきて騒動になったのだ。
 心優は何故英語の成績が悪いのかと思えるほど流暢な英語で彼らと会話していたが、あまりの出来事に硬直していた一行は使用人の薦めでホテルに戻った。そして、長い空路での旅と騒ぎによって蓄積していた疲れのままベッドに吸収されたのだ。
 心優からのモーニングコールで叩き起こされた直政は、いつもと違う状況に頭を振りながら適応した。
 旅先で元気なのは心優の特徴だ。

「で、誰もいないってどういうことだよ」

 直政は指示された通り、水着を着てビーチにやってきていた。
 因みに朝食は水着と共に運ばれてきたものをひとり寂しく摂取している。

『ひとりとは、私をお忘れですか?』

 心優が用意した小さな浮き輪を腰にはめ込まれた刹が不満を露わにする。

「知ってるか? ひとりとは『一人』って書くんだぞ? お前は人じゃねえだろ」
『はっ、そうか!? ってしかし、まだまだ甘いです、御館様』
「ん?」
『「人」=ヒトではありません。『人』とは社会性を身につけ、人間社会で生活するものを指します』

 端から見たらひどく間抜けに見える格好のまま、刹は胸を張って演説した。

『それは突き詰めれば、ヒトとコミュニケーションを確立できると言い換えてもいいでしょう』

 直政の肩から目の前にあった欄干に飛び降りた刹は、後ろ足で立って前足を直政に突きつける。

『つまり、こうして御館様と会話することができる私は、「人」ということになります! よって、私を「一人」と数えることに何ら不思議はありません!』
「な、何だってぇー!?」

 革命が起きた。

「その定義で言えば、よくある「人になりたいロボット」は、そう思って人間社会に適応した瞬間、それはもう人じゃねえか!」
「何アホなこと言ってんのよ、ロボットはどこまで行ってもロボットよ」

 パコッと頭を叩かれる。

「私、人間みたいに話せるAIを知っているけど、彼女は所詮、強襲揚陸艦っていう軍艦を動かすためのAI、人じゃないわ」

 叩かれた衝撃で茂みに突っ込んだ直政の後ろで、朝霞は腕を組みながら続けた。

「存在ってのはどうしても変われないものよ。そして、自分以外から見た存在ってのはその見た者の価値観によって決定するわ」

 朝霞の本質――存在は「炎術師」。
 だが、視点を変えれば、炎術師にも、手品師にも化け物にでも転じることができる。

「相手を理解するためにはありのままの相手を見ろ、ってことね。自分の価値観が崩壊する危険性を甘受して」
『むう、それならばあなたから見て私は何ですか?』
「変なリス」
『ノォォォォォ!?!?!?!?!?』

 頭を抱えて悶絶した刹を無視し、いつまでも埋もれたままで突き出されたお尻を叩いた。

「いつまで寝てるのかしら」
「あ、ああ、ちょっと考えてた」

 心優は自分からすれば変な御嬢様幼馴染みだが、世間から見れば唯宮財閥の御令嬢なのだ。

「鹿頭もいろんな立場がある―――」

 朝霞を認めた直政は思わず言葉を失った。

「なによ」

 朝霞も白いパーカーの下に水着を着ている。
 それはいくつかの明るい色彩のセパレートに、腰にはパラオを巻いていた。
 露出を抑えているが、長身を生かしたスタイルの良さは人の目を惹きつける。

「あ、あんまり見ないでくれるかしら」
「わ、悪ぃ・・・・」

 頬を赤く染めて視線を逸らした朝霞も見られず、直政も視線を逸らした。

「あ」

 そして、こちらを冷たい目で見ている心優と亜璃斗を見つける。

「政くん、視線がいやらしいです」
「兄さん・・・・」

 朝霞は朝霞で恥ずかしがって、パーカーの合わせ目を右手で握り潰し、さらにそこを直政から隠すように背を向けた。

「む」

 そんな女の子らしい仕草に心優は頬を膨らませる。

「政くん、わたしを見てください!」

 心優も着ていた黄色のパーカーを脱ぎ捨て、「じゃーん!」と飛び跳ねた。
 現れたのは水色の紐ビキニだ。さらに言うならば布面積が小さい。
 そんなので飛び跳ねるものだから、胸が揺れ―――

「・・・・なんで『otz』になってるんですか?」

―――なかった。

「いやだってなぁ・・・・あ」
「え、あっ」

 あまりに激しく動いたために紐が解けかけ―――

「セイッ!!!」
「ごぶぁっ!?」

 直政の鳩尾に亜璃斗の掌底がめり込んで砂浜に大穴を穿つ。そして、朝霞が脱ぎ捨てられたパーカーを心優に着せた。

「な、なぜ・・・・」

 悪いのは心優なのに、と呟きながら体を起こした直政の頭が優しく撫でられる。

「央葉・・・・」

 見上げたそこに立っていたのは無表情な友人だ。
 ダイバースーツっぽい水着にこれまた水着の短パンをはいている。
 その向こうでは薄緑のワンピースタイプに身を包み、Tシャツを着て肌を隠した凪葉が心優の水着を結んでやっていた。
 因みに日差し対策なのか、ひどく麦わら帽子が似合っている。

「すまない、遅れた」

 最後に現れたのはカンナだ。
 朝霞ほど長身ではないが、なかなかに背が高いカンナは長い素足はそのままだが、長いTシャツでふとももより上は隠されていた。

「カンナさん、Tシャツなんてずるいです!」

 結び直して復活した心優はビシッとカンナを指差す。

「しかし、巫女として無闇に肌を晒すわけにはいかない」
「巫女とか関係ないです! ここは日本ではない、故に日本の神様なんぞいない!」
「罰当たりね」

 朝霞のツッコミを無視した心優はカンナへと襲いかかった。
 運動音痴の心優と弓道部のカンナでは基礎体力が違いすぎるのだが、心優の執念とカンナの遠慮によって心優が勝利する。

「はぁ・・・・はぁ・・・・勝ったぁっ!」

 グイッとTシャツを引っ張って、カンナから引き抜くことに成功した心優はその光景を目の当たりにして硬直した。

「ったく、強引な・・・・ふぅ」

 そう言って乱れた白髪交じりの髪を後ろに流す。

「お前のそういうところは少し直した方がいいぞ」

 そう言って腰に右拳を当て、右重心になると、豊かな胸が揺れた。

「反則ね」
「うん、反則」

 見たくないのに注視せざるを得ない朝霞と亜璃斗。

「・・・・はぅ」

 思わず自分の胸を触ってしまった凪葉。

「・・・・っ」

 同じく思わず鼻を押さえてしまった直政。
 様々な反応の中、カンナと央葉はいつも通りだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・人格が溶け落ちそうなので着てください」
「それは大変だな」

 差し出されたTシャツの袖に腕を通すカンナは自分の体が皆に甚大な被害を与えたことに気付いていない。

「それで、今日はどうするのだ?」
「・・・・・・・・・・・・ただいま再起動中ー」

 放心状態の心優に代わり、亜璃斗が答えた。

「溶けそうになった人格を再結晶中か?」
「ん、いつもより大きく・・・・ハイテンションになる予定」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それは・・・・」

 ハイテンションに振り回されているカンナとしてはできれば遠慮したかったのだろう。だがしかし、逃げるタイミングよりも心優の方が早かった。

「本日の議題!」

 ビシッと桟橋を指差す心優。
 そこには小型クルーザーが停泊している。

「ダイビングと戦跡廻り!」
「私、経験ないんだけど・・・・」
「黙れ! 山育ち! 海に来たら海で遊ぶんです!」
「そりゃそうだ」

 苦言を呈した朝霞を一蹴し、カンナも納得の理論を振りかざしたニュー・心優は片手で持ったパーカーを肩にかけ、男らしく宣言した。

「遊ぶぞー!!!」



 サイパン島海中戦跡。
 観光名物でもあり、数々の船が出ているが、この観光説明は曖昧な部分が多い。
 例えば、「B-29ポイント」に沈んでいる航空機は日本海軍の二式大艇、「ゼロ戦ポイント」に沈んでいる航空機は零式三座水偵である。
 最近、正しく「松安丸」と説明されるようになった沈没船も、現地民ではなく、日本人によって解明が行われた。
 陸上においても、南雲(中部太平洋方面艦隊司令長官)、齋藤(第四三師団長)、井桁(第三一軍参謀長)の三軍自決場所が違うことなどがある。
 心優はこれに憂い、調査に対して寄付を行うなどして活動を支えていた。
 故に、今回のツアーは通常の観光船路ではなく、最近の調査で発見された戦跡訪問だった。



「感謝してくださいね」

 補助ダイバーに酸素ボンベを取り付けられている心優が胸を張った。

「正直、ゼロ戦だろうが、零式・・・・三座? だろうが、どうでもいいけど・・・・」

 同じく取り付けられている朝霞は不安そうだ。

「ま、日本を守るために戦った人たちの行いが間違って後世に残っているのを正す意義は分かるけどね」

 軍事には興味はないが、それでも伝統の上に立っている名家を背負う朝霞だ。
 歴史を正しく残すことには常人より気を遣っている。

「お、あれじゃないか?」

 手慣れた動作で酸素ボンベを取り付けた直政は波間に見え隠れする赤さびの物体を発見した。

「あれは・・・・M4シャーマンですね。当時のアメリカ陸軍主力戦車です。シャーマンの名前はイギリス人がつけたんですが・・・・当時の連合軍主力戦車ですから問題ないです」

 一目見ただけで判断した心優は取り付けが終了したボンベを、手足を振ってなじませながら言う。

「高い量産性と信頼性によって主力戦車になっただけで、ドイツのⅣ号戦車にすら敗北する性能でしたけど、物量戦術によって戦線を突破するタイプです」
「でも、日本のよりは強いんだろ?」
「日本の主力戦車は九七式中戦車シリーズですからね、ドイツので言えば、Ⅲ号戦車世代。世代が違えば勝てませんよ」

 「日本の四式中戦車以降が投入されていても、数で押されたと思いますけど」と続ける心優の意見はシビアだ。

「ま、近くで見ましょ♪」
「きゃー!? ガボガボッ!?」

 笑顔で朝霞を突き落とす。

「な、何す―――ミギャ!?」

 慌てて水面に顔を出した朝霞の顔に心優が立てた波が襲った。

「ゲホゲホッ」

 気管に水が入ったのか、涙目で咳き込む朝霞が哀れだ。

「ハッ、お嬢様の格の違いを思い知りましたか!?」
「代わりに、お前の人としての器が知れたがな」

 ヤレヤレと、最初から飛び込む気もないカンナが肩をすくめる。
 心優は認めないと宣言したが、こうした場所では霊感が強く働くと言うカンナに無理強いはしなかった。
 幽霊というものは自分を認識できる者に牙を向くと心優は思っているためだ。

(そいや、幽霊っているのか?)
『いますよ?』

 至極当然のように即答された。

(え、マジで!?)
『はい。実際、悪霊が原因で長岡京から平安京に遷都された、とかいう逸話もあります』

 桓武天皇の弟、早良親王のことだろう。

『まあ、現代にも西洋の方では死霊使いとかいうのがいるじゃないですか』
(ああ、ネクロマンサーだったっけ?)
『我々とは相性が最悪ですけどね、殴れませんし』
(パワーストーンでも勉強するか?)
『超絶技巧を必要としますよ』
(無理か)
『無理ですね。出たら尻尾巻いて逃げましょう』
(出たら、神代さんに助けてもらおう)

 直政は脳内会話を終え、艦舷に腰掛ける。そして、ボンベを口に持って行き、軽く深呼吸。

『え゙? ちょ、待って、私も一緒―――っ!?』

―――ザボンッ

「今度から、リス用のアクセントではなく本物の浮き輪を用意しないといけないですね」

 流された刹を回収した心優がぐったりしたままのそれを直政に返す。

「次があればな」
『できればないと・・・・願いたい・・・・・・・・・・・・・・・・ガクッ』



 午後からは普通の海水浴。

「は、離さないでくださいね・・・・」
「いや、掴んでるのお前」

 心優は運動音痴である。
 それは浮力というドーピングをしても変わらず、水に浮くことはできない。
 酸素ボンベなしで海に入ると途端に体が強張ってしまうのだ。

「うう、実は泳げる、とかいう設定だったら政くんの体をなで回せたのに・・・・いじいじ」
「いじいじとか言いながら俺に指で円を描くな! くすぐったいわ!」

 胸の上に人差し指を乗せて円を描く心優に直政はツッコミを入れる。しかし、律儀に彼女を離そうとしなかった。

「てい」

 代わりに亜璃斗が制裁を加える。
 海中から急速浮上した彼女は直政と心優の間を引き裂いた。そして、軽く心優のおなかを蹴り飛ばす。

「なあ!? ガボガボ!?」

 突然の出来事と体勢を崩されたことで心優が沈み始めた。
 それを亜璃斗は何事もなかったように引き上げ、一言。

「失礼」
「全く以てその通りです!」

 咳き込みながらもそう叫びを上げた心優を放置し、亜璃斗は顔半分海水面上に出したまま離れていく。
 口元が見えていないのに、「ウケケケ」と言う笑い声が聞こえてきそうだ。

「・・・・というか、心優。お前立ってんじゃねえか」
「ハッ」

 そう、心優の足はしっかりと地面を踏みしめており、先程直政に掴まる必要がなかったのだ。

「こうなれば、堂々と触りまくるのみです!」
「ええい、変態か!?」

 直政は飛びかかる心優の頭を鷲づかみにし、その魔手から逃れる。

「自分の欲望に正直と言ってください!」
「理性を持て!」
「私の理性と欲望はカルテルを交わしています!」
「独占禁止法違反だ!」
「私の頭の中まで法律に縛られません!」
「そりゃごもっともだけど!」

 普段ならば簡単に押し返せるが、如何せん足場が悪い。

「―――せっかく海に来てるのに、アホなやりとりはいつも通りなのね」

 ため息混じりに朝霞が声をかけてきた。

「へへん、仲が良くて羨ましいでしょう!?」
「全っ然」

 力一杯否定した朝霞はポニーテールのリボンを弄る。

「水で濡れるのに、リボンしてるのか?」
「これは防水よ」
「んなアホな」
「ええ、政くんの目はごまかせても私の目はごまかせませんよ」
「いや、ごまかされてねえよ!」

 胸を張って宣った幼馴染みの頭を叩いた。

「っていうか、私に言わせれば、あんたも眼鏡外せば? 伊達なんでしょ?」
「ああ、そういやそう―――」
「これは完全防水なので外す必要がないんです!」

 何故か心優が力説する。

「・・・・ま、どうでもいいけど、穂村借りていい?」
「「え?」」

 直政と心優が揃って首を傾げ、亜璃斗が剣呑な目つきで朝霞を見た。

「ちょっと暇なのよ。神代さんは叢瀬とビーチパラソルにいるし、水瀬さんは私を怖がっているしね」

 朝霞は肩をすくめて砂浜を見遣る。
 そこにはパラソルの下でのんびりしているカンナとその隣で砂の巨城を作っている央葉がいた。
 凪葉は不安そうに波打ち際に座っているが、日本人女性スタッフが傍にいてフォローしている。
 プライベートビーチのために他に人がいないが、向こう側の道では海を見ている金髪の女性がいた。
 現地人に絡む選択肢もあるが、英語ができない以上、無理な話だ。

「だから、ちょっと遠泳でもしてみない?」
「遠泳?」
「そ。ほら、あそこにポールがあるでしょ?」

 指さされた先には波に煽られる黄色のポールが浮いていた。
 距離を示すものらしく、一定間隔で砂浜と離れた場所にある。

「あのポールまで泳いでターンして帰ってくる。負けたら飲み物をおごるとかどう?」
「いいね、やってやろうじゃねえか」

 動きを封じることで勝負を阻もうとする心優を押し戻し、直政は闘志を剥き出しにして朝霞を見遣った。
 その挑戦的な視線に睨み返し、朝霞は不敵に笑う。

「私に勝てるとでも?」
「ふん。長物は経験の差で負けるが、山出身に遠泳で負けねえぜ」
「あら、異な事を言うのね。音川だって海がないんじゃないかしら?」
「心優のおかげで旅慣れているんでね。海水浴は毎年行っていたんだよ」

 不満そうに会話を見ていた心優は「心優のおかげで」の言葉で相好を崩した。

「用意ドン」

 不敵に笑い合うふたりに対し、勝負を急かすように亜璃斗が呟く。
 それにふたりはいち早く反応し、ポール向けて泳ぎ出した。









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