プロローグ
| 「―――ふーん、そんなことしていいの?」 あどけない子どもが楽しそうに笑った。 その様はまるで知らないオジサンにお菓子をもらった子どものようだ。 「そのままじゃないですか?」 「だーれがオジサンだ!」 子どもともうひとりいた少女にツッコミを入れる。 「しかし、粋な計らいです」 「「2周年だしね〜」」 さすがにもう同時更新では誤魔化せない。 関ヶ原の戦い記念とかでやっちゃったし。 「さて、どうします?」 巫女装束の少女は子どもに訊く。 「乗らない手はないね」 子どもはニマリと年不相応な笑みで応えた。 「掌で踊ってくれるって楽しくない?」 「そうですか? 参加するのもひとつの手だと思いますよ?」 「う〜ん」 「ふむふむ」 ニマニマ、ニヤニヤと絶大な【力】を手に入れた2人は笑う。 「お、おい、忠さんや?」 「・・・・なんだい、くろさん」 「奴らを抑える【力】はあるんだろうな!?」 「甘いな。そんなものを残していては世界を繋げることはできんよ」 「おいーッ!!!」 「とりあえず、うるさいふたりには退場して頂きましょう」 「そうだね。・・・・えい」 「「ぎゃーッ!?」」 空間が収縮し、プチッと俺たちは潰された。 「さあ、登場人物にご登場して頂きましょう」 少女は懐から鈴を取り出す。 「そちらはこの5人です?」 「そーだね。・・・・って、そっちはその5人? なかなかやるね」 「いえいえ」 ―――シャンッ 鳴り響く鈴の音はその音色に不釣り合いな【力】で世界をこじ開けた。 |