終章「捌綜家」


 

「―――さて、行きますか」

 落ち着いた紫紺の着物を着た初老女性は飲んでいた湯呑を茶托に置いて立ち上がった。
 その背後に黒装束の者を従え、久しぶりの音川町へ訪れるために歩き出す。

「行くのか?」

 部屋を出たところに可愛い孫が壁にもたれかかって立っていた。

「はい。この数か月を経て、ようやくまとまったようですし・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」

 女性の流し目から孫は目を逸らす。

「それにちょうどあの娘も"こちら側"に帰ってきたようですから」
「"鎮魂の巫女"、か」
「あの夜は素晴らしい共演でした」

 「俺は殺されかけたんだけどな」という孫のボヤキは無視し、黒装束を連れて居城を後にした。





直政と心優scene

「―――起きろぉ!」
「きゃん♪」

 御門宗家と凛藤宗家の陸綜家合流を決めた日の翌日。
 穂村直政は狸寝入りをする唯宮心優を叩き起こしていた。
 いや、正確には薄い夏用毛布にくるまっていた心優からその毛布を引きはがしたのだ。
 勢い余ってベッドから転げ落ちたが、声音が嬉しそうだったから大丈夫だろう。

「何で指定した時間なのに寝てるんだよ」

 呆れながらズレた眼鏡を直す。
 その目が閉じていたのは、転げ落ちた心優があられもない姿をしているからだ。
 薄い生地の寝巻は半そでに七分丈のズボンである。
 だというのに、寝相なのか自らそうしたのか、上着のボタンは上から二つ目まで外され、へそも大きく見えていた。
 さらに下も裾が太もも上部までまくり上げられている。
 だが、直政はその光景を一瞬たりとも見ていなかった。
 何故なら、心優のトラップを予想していたからだ。

「・・・・まさか布団を引きはがす段階から目を閉じているとは・・・・成長しましたね」

 心優は悔しそうに体を起こし、衣服を整える。

「後、質問の答えは、『政くんに起こしてもらいたかった』以外に何がありましょうか!」
「胸張って言うことじゃねえ!」

 両腰に手を当て、ふんぞり返る心優。
 因みにまだ床に転がったままなので、ひどく間抜けな姿だ。

「ちょっとしたお茶目ですよぉ」

 ツッコミが割と本気だったので、心優は悪ふざけを止めた。

「どうせ、早く行こうが遅く行こうが状況は変わりませんよ」
「そういう問題じゃねえ。約束を平気で破るんじゃない」
「アタッ!?」

 直政はむくれる心優の脳天に手刀を落とす。

「ほれ、さっさと着替えろ」
「はぁい。・・・・・・・・・・・・あ、覗いていきます?」
「堂々と部屋にいるのは覗きとは言わねえな!」

 直政は部屋から出て、勢いよく扉を閉めた。




「―――Keep Out! ってどういう意味でしたっけ。『持っちゃダメ』?」
「立ち入り禁止って意味だ」

 ふたりは神代神社を訪れていた。
 その時刻は予定より1時間も遅い。
 心優が優雅に朝ご飯を食べていたせいである。

「誰もいない、か・・・・」
「みたいですね」

 警察によって張られた黄色いテープを無視して進入したふたりは、境内の中央でため息をついた。
 鳥居も境内も社務所も普段通りだ。
 しかし、そこには威圧感のある白髪交じりの巫女や悪戯っぽい笑みを浮かべた金髪巫女、同じく金髪幼女巫女の姿はない。
 もちろん、家主である白髪初老巫女もいなかった。
 完全にもぬけの殻だ。

「やっぱ、央葉のお姉さんの言ったことは本当、か」
「おまけにあの熾条一哉も肯定しましたからね」

 昨夜、統世学園で鬼退治している時分、神代神社は襲撃を受けた。
 当主・神代礼衣は重態、"八尾の狐"・せんも重傷を負う。
 せんの娘であるひろも怪我を負い、統世学園戦線を離脱して駆けつけた"金色の霊獣"・叢瀬央葉も負傷した。
 彼らは深夜に神居市のお馴染みの病院に運ばれている。そして、昨日に寝ていたはずの央葉とひろが逃亡。
 おそらく、ひとり行方不明の神代カンナを探しに出たと見られる。
 以上が昨夜に熾条一哉から聞いた、事実と推測だった。

「陸綜家の構成メンバーが襲われたんです。<祗祇>、とかいうところの仕業ではないですかね」
「・・・・・・・・・・・・」

 <祗祇>。
 ついに発覚した、直政と心優の仇だ。
 彼らがふたりの生家を滅ぼした。
 その攻撃も、「旧組織の大勢力を狙った」というよりも旧捌綜家所属家を狙ったと考えるのならば、神代家襲撃の十分な動機になる。

「ただ、その場合、一昨日に倒したという敵は・・・・囮に使われた、ということですね」

 陸綜家実働総戦力を投入した謀略戦が一昨日である。
 当然、他の方面は手薄になる。

「おまけに結城宗家の主力は北陸へ。神代家と仲の良い"風神"も統世学園へ出兵していました」

 そして、その結界は外と内を隔絶するように作られていた。

「これを踏まえると、神忌とやらに結界変革術式を渡したというスカーフェイスなる人物の手引きで神代家を滅ぼした、ということですね」
「『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』」

 心優の推理に直政と刹は黙り込む。しかし、ややぁと顔を突き合わせて意見交換を始めた。

『マズいですよ、御館様。このおなご、できる・・・・ッ』
「ああ、マジでヤベェよ。この業界の先輩として焦りを禁じ得ない」
『まあ、御館様は脳筋・・・・っとと。戦い専門ですから』
「言い直すならすべてを言い終えるまでにしようぉなぁ?」

 ガシリと小さな頭をわし掴む。

『・・・・お、おお? なんという恐怖・・・・』

 ニギニギと強弱をつけて締めつけると、だらだら汗を流しながら悶え始めた。

「ぅわ、気持ち悪ぃ」
『あーれー』

 そのままぶん投げられた刹は放物線を描いて社務所の向こうへと消える。

「しかし、どうして今になって、神代家なんでしょうね」
「・・・・あの寸劇をスルーとか・・・・」

 マイペースな姿に肩透かしを食らったが、直政はすぐにその言葉に意味を考えた。

「今になって、か・・・・」

 神代家を滅ぼすならば、せんが帰ってくる前、さらにカンナが成長する前が望ましい。
 最大戦力であったせんの出奔の後、数年間は当主・礼衣だけだった期間がある。



「―――その頃は、結城宗家の術者が常駐していたのですよ」



「「―――っ!?」」

 聞こえた声に、ビクリと肩を跳ねさせた。

「熾条緝音、さん・・・・」

 心優が見上げた社務所の屋根に、着物姿の女性が瓦に腰かけている。
 上品な雰囲気からすれば、お転婆に見えた。しかし、彼女は忍びを祖先に持つ熾条宗家前宗主・"悠久の灯"熾条緝音だ。
 そう考えれば、今の姿はそう驚くものではない。
 今も彼女の後ろには黒装束のものが控えているのだ。

「結城の術者が常駐していたのは、結城晴也くんが修行のためにここに下宿していたから」

 その晴也が本家に帰っても常駐していたが、昨年の鹿頭家進出を受けて完全撤退。
 周囲の増援を含めれば、最も弱体化したのは独自である程度の戦力を保有した"今"だった。

「それでも、【叢瀬】を護衛とし、あの子が見張っていたのですけど」
「・・・・"東洋の慧眼"」

 相対的に弱体化した神代家は襲ってくださいとでも言える状況。
 それを改善するのではなく、利用するのが熾条一哉と言う戦略家だ。

「その監視の目が対鬼・・・・いえ、対神忌で逸れたんですね」
「そういうことです」

 心優の言葉に緝音が首肯した。
 たった一夜。
 監視が緩んだ隙に攻撃を仕掛けるなど、相手も狙っていたのだろう。

「スカーフェイスとは恐ろしい戦略家、いえ、謀略家なんですね」

 神代家を滅ぼすためだけに、スカーフェイスは神忌を囮にした。そして、一哉とも密約があったのだろう。
 そうでなければ、一哉が"雷神"を用意するなど、対神忌の準備を的確に進められるわけがない。

「・・・・というか、お前何やってんの?」

 高度な話にややついていけなかった直政は、緝音の手で愛でられている刹に話しかけた。

『こ、このおなご、なかなかにやるます。・・・・ふぉ~!?』

 顎下をくすぐられ、悶絶する刹。
 それを見て目を細める緝音。
 その光景は縁先で膝に乗せた猫の背を撫でる可愛らしいおばあさんのようだ。

(だけど、違うんだよなぁ)

 二世代前の、生きた伝説。
 旧組織の重鎮中の重鎮。
 その功績は後世に、永遠に残るとされ、現役ながらも"悠久"の名を頂いた女傑。

「・・・・どうして、ここにいるんですか?」

 そんな彼女が、何故ここにいるのだろう。
 同胞とも言える神代家の襲撃。
 それは陸綜家に対する明確な宣戦布告だ。
 実質的なトップである彼女がこんなところで遊んでいていいわけがない。
 それくらいは情勢に疎い直政でも分かった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 にっこりとほほ笑み、瓦の上に立ち上がって屋根の縁へと歩き出す。

『え? ちょ、まっ!?』

 そして、縁についても止まらなかった。

『「「え?」」』

 呆けた声が直政と心優、刹の口から洩れる。
 ストッと軽やかに境内に降り立った緝音は着地の衝撃に膝を曲げることはなかった。

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 にこにこと笑みを浮かべたままの緝音は、落下のショックに言葉を失ったままの刹を地面に下すと、その背中を軽く叩いて直政の下へ戻るように促す。

「・・・・いま、見ました?」
「・・・・ああ、足裏から炎出てた」
「・・・・・・・・ということは、炎術の制御で彼女は空を飛べるということですよね?」
「・・・・・・・・そうなるんじゃねえの」

 一哉は炎を爆発させ、その衝撃波に指向性を持たせることができる。しかし、緝音が何気なく見せた技量はそれをはるかに上回る。
 絶対的強者。
 緝音は本当に指一本動かさず、ここでふたりを焼き払えるに違いない。
 攻撃を受けたという意識すら抱かせることなく。

「お願いがあります」

 戦慄するふたりに笑みを向けたまま緝音が言う。

「これより陸綜家は総力を上げて、<祗祇>を潰しにかかります」

 その言葉に直政も心優も恐怖で顔を引き攣らせた。

「そのため・・・・・・・・・・・・」

 ここで緝音は初めて言いよどむ。

「御門直政様ならび凛藤心優様」

 "御門"と"凛藤"の名と"様"付けに、ふたりの背筋が自然と伸びた。


「―――神代家襲撃について、解決して頂けませんか?」




「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 神代神社の長い階段を降り、鳥居をくぐったふたりは改めてお互いの顔を見合わせた。

「任されちゃいましたね」
「・・・・だな」

 神代家襲撃の解決。
 それは神代カンナの救出、行方不明の叢瀬央葉、ひろの捜索、敵戦力の撃滅が挙げられる。
 陸綜家が保有する戦力は、まずはSMOの撃破を念頭に置くらしい。
 もちろん、鉾衆を筆頭とする直轄戦力は対<祗祇>に振り分けられるはずだ。

「相手はあの熾条一哉を出し抜いた奴なんだろ?」
『御館様では相手に――あーれー!』

 最後まで言わせずに刹を投げ捨てた。

「・・・・おそらく、違います」
「え?」
「スカーフェイスなる人物は実働部隊です。おそらくカンナさんを攫うところまでが担当でしょう」
「何でそう思うんだ?」
「スカーフェイスは<祗祇>の構成員ではありません。もちろん、関係者ではあるでしょうけど」

(ヤバい。心優の論理展開がさっぱりわからない)
『安心してください、一緒です』
(獣と一緒にされてもな・・・・)
『ドンマイ♪―――アタァッ!?』

 ムカついたので地中から生やした土塊で刹の頭を叩いた。

「まあ、監査局の実験については、わたしもいろいろ調べたのでそこからの判断と思ってください」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 詳しいことを説明する気はないようだ。そして、このような知識を持っているからこそ、緝音は心優を含む御門宗家に解決を任せたのではないだろうか。

「ところで、あそこで一触即発になっているのは・・・・何なんでしょうか・・・・」
「何なんだろうなぁ」

 見れば通りの端で穂村亜璃斗と鹿頭朝霞が睨み合っている。
 武器こそ出していないが、取っ組み合いを始めてもおかしくない雰囲気だった。

「何をやっているんですか?」
「ストーカーがいたから警察に補導されないよう、適度に知り合いのふりをしていたの」

 朝霞が視線をこちらに向けて答える。

「すさまじく難解な行動をしていたことは分かったけど・・・・・・・・・・・・ストーカー?」
「わたしじゃありませんよ!?」
「微塵もそんなこと思ってねえよ!?」

 何故かあわあわと目を逸らす心優に、全力のツッコミを入れた。

「話が進まないわね」
「ややこしくしたひとりでもあるんけどな」
「それはともかく」

 朝霞は直政のジト目を回避し、話を続ける。

「この娘が電柱の陰に隠れてじーっと神社を観察していて、それを不審に思った警察官が近寄っていたのよ」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 直政と心優が無言で亜璃斗を見遣った。しかし、亜璃斗はそろ~と視線を逸らす。

「だから、友達を装って思い切り背中を叩いてやったの」
「行動に悪意が見える!?」
「この界隈で私を知らない警官はいないからね。貼り付けた笑みを浮かべて去って行ったわ」

 神代神社があるのは鹿頭邸の近所だ。
 この辺りを巡回する警察官は鹿頭邸に君臨する朝霞のことをよく知っていたのである。

「普通にヤのつく家の娘だと思われていると思う」
「・・・・うるさいわね」

 亜璃斗の指摘に、朝霞は苦々しい顔をした。
 出かける時や帰宅した時に家人が見送り、出迎えをするのだ。
 何も知らない人間が見れば、連想することはひとつだろう。

「『姫』とか呼ばれてますからね」
「それは鹿頭家の慣習なんだから仕方ないでしょ!」
「時々お坊さんが後を尾けている。うまく隠れているけど、地術師の感覚からは逃げられない」
「な、ぁっ!? 香西の奴ぅっ!?」

 朝霞が顔を真っ赤にし、右耳のイヤリングを触りながら屋敷の方を睨んだ。
 すると、数十メートル向こうで人影が逃げ出す。

『ふべ!?』
『何をやっている、鳴耶。さっさと立て!』
『香西さんが首根っこ掴んでるからでしょ! 走りにくい!』
『姫にバレた以上、次の手を考えなくては・・・・ッ』

 と、遠くから慌てた声が聞こえてきた。

「・・・・後で火あぶりにしてやろうかしら」

 朝霞が全身に淡い陽炎の様な炎を纏わせる。

「ふふ」

 その炎を鎮火したのは、小さな笑い声だった。

「こういうやりとり、いいですね」
「「「?」」」

 しみじみと呟かれた心優の言葉に、三人は首を傾げる。

「わたしが裏を知らないふりをしていましたから、どこかみんな、よそよそしかったんです」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

 思い至ることがあり、三人は黙り込んだ。

「これからは赤裸々に、そして開けっ広げに話せますね!」
「それ同じ意味だからな! ・・・・たぶん」
『最後に自信なさげに一言付け足すあたりが御館様の限界ですね』

 直政の肩の上でやれやれと首を振る刹。

「ふふ、それがいいんです。こちょこちょ」
『オウフッ。そ、そんなところを・・・・ッ』

 心優が指先で腹をくすぐると、刹が気持ち悪い声を発して悶える。

「ここにふたりが戻れば、元通りですよね」

 カンナと央葉。
 ふたりとも大事な友人だ。

「だな、きっと楽しく・・・・・・・・・・・・いや、愉快になるな」

 央葉の奇行を思い出し、直政が訂正する。

「大丈夫じゃないかしら。あいつとあんたの掛け合いは隣のクラスでも有名だから」
「こっちでも有名。大丈夫」
「大丈夫じゃねえよ、それ!?」

 朝霞と亜璃斗の励まし(?)にツッコミを入れた直政は、ポンッと右手を心優の頭に置いた。

「ま、とりあえず、捌綜家復帰云々関係なく、やってやろうぜ」
「ですね! わたしのデビュー戦としては十分でしょう!」

 胸の前で両拳を握って意気込む心優。

「綜家の一員にしては小規模じゃないかしら?」

 それに腕組みしながら暗に己の一族を誇る朝霞。

「大丈夫。ウチの最大戦力は丈夫」

 直政の背中を押して主張をする亜璃斗。

「いや、丈夫って褒め言葉か!?」

 妹のひどい立て方にツッコミという苦言を呈す直政。
 わいわいと騒ぐ4人だったが、やがて暑さに負けたのか移動を開始した。






見守るものside

「―――ふふ、ずいぶん上の世代と違うこと」

 それを影から眺める緝音は本当に楽しそうだ。

「全く、一段落した頃に出てきて引っかき回すのはお前の趣味か?」
「いいじゃないですか。熾条の女は小悪魔なんですよ」
「いや、悪魔だ―――ぐむ!?」

 失礼な孫を炎の拳で沈め、緝音は少し寂しそうに言い合いをする4人を見る。

「・・・・欠けた者は取り戻さなければなりません」

 本当ならば、あそこにはもう少し人が立っていたはずだ。

「あの時もそうだったな」
「緋のことですね」

 一哉に笑いかけ、その後すぐに表情を引き締める。

「ここからです」
「ああ」

 それだけ応じて、一哉が緝音に背を向けた。しかし、すぐに足を止め、そのまま背中越しに緝音へ声をかける。

「御門宗家と凛藤宗家のついての俺への依頼、達成状況はどうだ?」
「そうですね。素晴らしいの一言に尽きました」
「じゃ、完了だな」

 緝音の返事を聞き、一哉が歩き出した。
 すでに次に向かって動き出している一哉を見送り、緝音は傍らに立つ護衛に声をかける。

「帰りますよ」
「はっ」

 彼が迎えの車を手配している間、緝音はもう一度彼らを見遣った。

「題名でもつけてみますか・・・・」

 新学期から始まる、"御門・凛藤宗家復帰作戦"。
 陸綜家の戦力を増強する目的で一哉に任せ、それに答える形で名門の生き残りが綴った物語。



「―――"赤鬼、そして鎮魂歌"、ですね」



 その言葉が作戦終了を告げる言葉となった。









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