R.E.S.T.世界観


 

 「R.E.S.T.」とはくろいろひろが原案の物語である。
 R.E.S.T.とは、魔術が科学と融合した魔術兵器が主力となった近未来SF物語であり、現代社会に似つつも「魔術」という異分子が入っただけで世界がどう変わるかを描いている。このため、現代社会を支える国家、組織などがやや形を変えつつも登場している。
 「R.E.S.T.-血筋にできること-」は、そんなR.E.S.T.本編の世界観に至った変化点を描く外伝である。


キーワード
<宗教改革>
 元々魔術は民間に広く普及していたが、欧州では教会が取り締まりならびに独占を開始した。これは「秘蹟」とされ、教会の正当性を証明するものとなった。
 しかし、聖書見直しが進み、旧教派と新教派が生まれると、教会に所属していた魔術師も二分された。後に新教派は教会主体ではなく諸侯・国家が中心となり、魔術師もそれに属し、魔術協会として独立した。
 ”宗教改革”という欧州社会体制の変革は、ヴェストファーレン条約を経て終結する。旧教派は魔術の独占に失敗した。しかし、長き戦争を終結させたのは、科学技術に裏打ちされた兵器を使う一般兵士の活躍であり、戦場はすでに一騎当千の魔術師が活躍できるものではなくなっていた。
 それどころか社会の広がりと共に魔術は異端とされ、世界から迫害されることとなる。
 この社会体制は大航海時代を経て全世界へと広まった。東アジアにおいてもアヘン戦争、明治維新によって同一の価値観の下に集約される。
 すなわち「魔術とは存在せず、科学のみが社会を支える基盤」という考えだ。
 しかし、魔術は存在し続けた。
 欧州では、かつて宗教改革一連戦争を引き起こした教会を中心とする一派と魔術協会の暗躍は続いていたし、新天地・アメリカでも秘密結社が誕生していた。
 アジアでも土着の神々をあがめる一派、陰陽道に代表される修練系魔術、遺伝体質による一族魔術などが密かに伝えられていた。


<国家総力戦と魔術>
 この「魔術的ヴェストファーレン体制」崩壊の萌芽が見えたのは、国家総力戦となった第一次世界大戦である。
 儀礼的な戦争は過去のものであり、戦争の結果は国家存亡を脅かすものとなったことで、再び魔術が注目され始めたのだ。
 持てる全てを投入する戦いに社会体制の維持など言っていられない。
 1920年、世界は崩壊へ向け、坂道を緩やかに転がり始めていた。


※ 上記により、実在の人物・国家が登場しますが、彼らの行動はあくまでフィクションであることをご了承ください。





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